大野拓弥騎手でデビュー予定のデュアライズ(撮影:竹之内元)
昨日の阪神メインでは2歳世代初となるGI・阪神JFが行われた。残念ながら上位3頭は栗東勢が独占の結果となったが、今週行われる朝日杯FSでは当ニュースでも過去に取り上げた怪物牝馬、グランアレグリアが牡馬相手に挑戦する。
12月に入り同世代の重賞で早期から活躍を見せる馬も多々いるなか、入念に乗り込まれ、今週デビュー予定の期待馬をご紹介。
◆サトノフォース(牡、父ディープインパクト、母ビタースウィート、美浦・藤沢和雄厩舎)
2016年のセレクトセール(当歳セッション)に上場され、取引価格は6480万円。母はJRAで3勝を挙げたのち、南関東の大井に移籍してから3連勝で東京シンデレラマイル(S3)を制した。
「男馬にしては小柄なタイプで入厩の時期が遅れたけど、迫力のあるフットワークで数字ほどの小ささを感じさせない。ディープ産駒らしく、走りに伸びがある。調教のピッチを上げてからも順調に進めてこられたし、雰囲気はいいですね」と津曲調教助手。12月15日、中山の芝1800mをC.ルメール騎手で予定している。
◆シャルマント(牝、父エンパイアメーカー、母ライツェント、美浦・鹿戸雄一厩舎)
2歳上の異父姉にディアドラ(秋華賞など重賞4勝、香港カップ2着、ドバイターフ3着)、3歳上の異父兄にオデュッセウス(OP特別2勝)がおり、おじにランフォルセ(重賞4勝)、ノーザンリバー(重賞6勝)、いとこにロジユニヴァース(ダービー)と一族には活躍馬が並ぶ。
「ゲート試験に合格後は牧場(ノーザンファーム天栄)で成長を促した。いい感じで戻ってきたし、大きなストライドで芝のほうが良さそう。上が走っている血統で馬っぷりも立派だし、初戦から期待したい」と鹿戸雄一調教師。12月15日、中山の芝1800mを三浦皇成騎手で予定している。
◆デュアライズ(牡、父ディープインパクト、母コージーロージー、美浦・中舘英二厩舎)
2017年のセレクトセール(1歳セッション)に上場され、取引価格は7560万円。母は米G2・ブエナヴィスタHなど芝の重賞を3勝しており、米G1・イエローリボンS2着、加G1・ゲイムリーS3着の実績を残した。全兄にマツリダウメキチ(現1勝)がいる。
「生まれが5月31日と遅かったので、ゆっくりと成長させた。牧場(山元トレセン)でも乗り込んできたし、背中の感じや動きはいい。1週前(12月6日)にビシッと追ったし、このひと追いで上向いてくると思う。芝の中距離ぐらいが良さそうです」と中舘英二調教師。12月15日、中山の芝1800mを大野拓弥騎手で予定している。
◆バスクベレー(牡、父ロードカナロア、母エイグレット、美浦・黒岩陽一厩舎)
異父兄にミトラ(金鯱賞、福島記念)がいる。こちらもゲート試験に合格後はノーザンファーム天栄で成長を促した。「男馬にしては華奢で体質的な弱さがあったけど、じっくりと乗り込んだぶん、だいぶ良くなってきた。さすがは血統馬という感じで走らせると動くし、いいところがありそうです」と黒岩陽一調教師。12月15日、中山の芝1800mをC.デムーロ騎手で予定している。
◆レッドアステル(牝、父ディープインパクト、母レッドエルザ、美浦・国枝栄厩舎)
伯父にBCターフなど米G1を6勝したEnglish Channelがおり、曽祖母のCommittedもアベイユドロンシャン賞を連覇するなど仏英のG1を3勝している。12月6日には坂路で4F51.8-37.6-24.8-12.2と全体の1番時計をマークした。
「カイバの食いが細くて体つきはコンパクトだけど、いいバネをしているし、これだけの時計で動けるんだからね。息の入りもいいし、なかなかの能力を感じさせる」と国枝栄調教師。12月16日、中山の芝1600mをO.マーフィー騎手で予定している。
(取材・文:竹之内元)