ラストランのオルフェーヴルが同期のウインバリアシオンらを置き去りにして有終の美を飾る(撮影:下野雄規)
凱旋門賞2年連続2着のオルフェーヴルは、このレース限りでの引退を表明。その走りを目に焼き付けようと、12万を超えるファンが中山競馬場に詰めかけた。単勝オッズは1.6倍。
2番人気はゴールドシップ。オルフェーヴルとは初対決となる。この年の宝塚記念を制したものの、秋2戦は5着、15着と精彩を欠いており、鞍上にR.ムーアを迎えて捲土重来を期してきた。
この2頭が抜けた人気となり、離れてアドマイヤラクティ、ウインバリアシオンと続く。
ルルーシュがハナを切り平均ペースで流れる中、オルフェーヴルは後方13番手からの競馬。ゴールドシップもダッシュがつかず、R.ムーアに促されて何とかオルフェーヴルのやや前目まで押し上げる。
3コーナー過ぎからオルフェーヴルが動き、そのまま抑えきれない手応えで進出。4コーナー入り口で早くも先頭に立つ。一緒に動いたウインバリアシオン、ゴールドシップが外から追撃体勢に入るが、その差は全く縮まらない。200mを切ってもその差は開く一方。実に8馬身もの大差をつけてオルフェーヴルがゴールに飛び込んだ。
2着には、これでオルフェーヴルと4度目のワンツーフィニッシュとなるウインバリアシオンが入り、ゴールドシップが3着。
レース後の表彰式で「僕はオルフェーヴルが世界一強いと思います。オルフェーヴルに出会えて本当に良かったです」と叫んだ池添謙一。凱旋門賞制覇の夢は、次代へと引き継がれた。