【ユニコーンS 勝負の分かれ目】初ダートで重賞制覇。適性を知り尽くした福永騎手の好リードで粘り切る

2019年06月16日 18:20

福永騎手騎乗のワイドファラオが勝利(撮影:小金井邦祥)

 今年の第24回ユニコーンステークスは、禁止薬物を摂取した可能性がある2頭が競走除外となり、13頭によって争われた。

 ゲートが開いた。福永祐一のワイドファラオは1枠1番から速いスタートを切り、外のヴァニラアイス、イメルらと並走する格好でダートコースに入った。

「最内枠が当たってしまったので、行くか、控えるか、スタート次第で決めようと思っていました。いつもどおりいいスタートを切ってくれましたね。あそこから抑えるとリズムが崩れるので、そのまま行きました」と福永。

 デビュー5戦目の今回が初ダートだったのだが、鞍上が軽く促すだけで、砂をかぶらない絶好の位置を確保した。

 そのワイドファラオが半馬身ほどのリードを取って3コーナーに入った。

 そのまま4コーナーを回り、直線へ。

 外からヴァニラアイス、内からイメル、エルモンストロらが伸びてくる。

 しかし、ワイドファラオは抜かせず、ラスト400m地点から突き放しにかかる。

 先行勢は振り落とした。が、外からミルコ・デムーロのデュープロセスが凄まじい脚で襲いかかってくる。

 ラスト200m付近から、内のワイドファラオと外のデュープロセスのマッチレースとなった。

 すぐにもデュープロセスがかわしそうに見えたが、並びかけられるとワイドファラオがもうひと伸びして抜かせない。

 激しい叩き合いを、内のワイドファラオが頭差でしのぎ切った。福永はパートナーをこう讃えた。

「気持ちが強くて、勝負根性がある。手応えはよくなかったし、脚が上がっていたのに、頑張ってくれました」

 勝ちタイムは1分35秒5。

 4月のニュージーランドトロフィーに次ぐ重賞2勝目をマークした。

「最初からオーナーにはダートがいいですと言っていたので、それが証明されてよかったです。初ダートで重賞勝ちというのは、メイショウボーラーもそうでした。あの馬のように、GIまで行ってほしいですね」と福永。

 メイショウボーラーは、4歳時の2005年1月のガーネットステークスが初ダートとなり、そのまま3連勝で同年のフェブラリーステークスを制した。

 先々が楽しみな、ダートのニューヒーローが誕生した。

(文:島田明宏)

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