今週の栗東の気温。いつもならお届けできるのだが、先週の金曜日から落雷の影響を受けたのか、故障したことにより、計測不能の状態が続いている。ただ、気温は低いはずで、朝は21℃前後かなといったところ。
ただ、28日は調教開始時間こそ曇りだったが、途中からは雨が降り出し、時折、強風が吹くという状況。特にCコースでの2回目ハローが終了した時間帯は突風が吹く場面があり、最後の直線は向かい風でその影響を受けた馬も何頭かいた。
【坂路/4F51.9秒】
8月27日。一番時計は4F50.4秒の
マテラスカイ(栗東・森秀行厩舎)。2F23.9秒は非常に速く、今週も時計の出やすい馬場と言いたいところだが、これは一杯に追われての内容。一杯に追った時の自己ベストが50秒を切る馬だけに、雨の影響を受けた馬場であったことはこの時計から推測できる。
また、4F51秒台の頭数が少なく、先週はかなり多かった2F24.5秒以下も今週はかなり少ない。3F目で一気に加速すると、4F目での失速幅が大きいラップになっている馬も多く、少なくても先週よりは時計を要する馬場だろう。
そんな中でも力強い動きで4F52.0秒をマークした
ブラックスピネル(栗東・音無秀孝厩舎)。
ダノンスパークとの併せ馬だったが、先行して最後は相手を突き放す動きで先着している。左手前になってからの走りが力強かったところを見ても、自分のリズムで走ることができれば、ゴール前での粘りには見るべきものがありそう。
8月28日の一番時計は
ジャスパージャガー(栗東・森秀行厩舎)の4F50.8秒。2歳未勝利にしては当然速い時計だが、デビュー前の自己ベストが4F51.1秒なので、このくらいの時計は出ても不思議ない馬。ただ、馬場状態は前日同様、時計が出にくいと思われる。
セントウルS(9月8日・阪神芝1200m)に向けた1週前追い切りを行ったのが、
イベリス(栗東・角田晃一厩舎)。
タフチョイスの真後ろにつけて、前半はじっと我慢する内容。頭を振ったり、折り合いを欠くようなシーンは全くなく、かなりスムーズに追いかけていた。
残り2Fの地点で前を捕まえに行くと、あっさりと並びかけて、最後はきっちり先着した。時計は4F51.3〜3F37.2〜2F24.4〜1F12.2秒。走る血統ではあるが、この時計をムキになって出すようなタイプはレースで伸び悩み、楽に出せると
ベルカントのように重賞での勝ち星を積み重ねていく。本馬は間違いなく後者のタイプだけにこれからの活躍が楽しみ。
先週の馬場差は「-0.3秒」。今週は雨の影響を大きく受けており、走りにくい馬場であることは間違いない。よって、今週の馬場差は27日、28日とも『+0.3秒』で記録している。
【CW/5F66.0秒】
8月28日。調教開始時刻の5時前はかなり暗く、向正面ではゼッケンの確認はもちろん、騎乗者の衣服すら確認困難になる。ただ、来週からは6時調教開始となるので、視野が狭くなるのも今週まで。
馬場状態だが、冒頭にも記したように、雨の影響を受ける馬場。加えて、時間帯によっては、突風をまともに正面から受ける馬がいたりして、追い切り時計に影響があった。ただ、基本的には雨の影響で走りにくい馬場だったという認識でよい。
8月29日。馬場状態は基本的には前日と変わらない。ただ、雨が降っていなかったこと、風がなかったことは前日と違う。その分、前日よりは気持ち時計が出るようになっていた気もする。
デビュー戦が8着と人気を裏切った
キズナ産駒の
リメンバーメモリー(栗東・佐々木晶三厩舎)。単走での追い切りだったが、いい
スピード乗りで、最後までしっかりした伸び。時計は6F84.6〜5F68.9〜4F53.8〜3F39.2〜1F12.2秒となかなかの数字をマークしているが、あとは併せ馬でどんな動きを見せるか、見てみたいところでもある。
先週の馬場差は「-0.3秒」。全体的に見れば、先週よりも時計を要する状態だったことは間違いないが、6F80秒切りもいるだけに、極端に重い馬場というわけでもない。よって、今週の馬場差は28日、29日とも『+0.3秒』で記録している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
今週の芝馬場は雨の影響もあって盛況。特に28日は30頭を超える追い切り頭数となったが、馬場は先週まで少し硬めだったので、この雨で程よく走りやすかったという印象。時計もしっかり出ている。よって、今週の馬場差は28日、29日とも『±0.0秒』で記録している。
なお、ポリトラック馬場はリフレッシュ工事のため閉鎖中。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。
(取材・文:井内利彰)