ひと追いごとに状態が上がっているクリンチャー(撮影:花岡貴子)
海外遠征はいい経験にもなりますが、もちろん負担もあります。昨年の凱旋門賞にチャレンジしたクリンチャーは、その後の成績がイマイチふるいませんがやはり見えない疲れもあったように察します。
「それでもこのところしっかり追い切れているし、ひと追いごとに状態が上がっていますよ」と宮本師。
たしかに。もともとクリンチャーは暑さが得意とは見受けられません。でも、お盆を過ぎたころから栗東も暑さがだいぶ和らいでおり、クリンチャーにとっては追い風が吹いています。
実際、クリンチャーの様子を見ても、顔つきも夏負けの様子は見られませんし、活気もみられます。
さらにプラスに働きそうなのは馬場状態。新潟競馬場の馬場も降雨の影響でかなり悪くなることが予想されています。これはクリンチャーにとっては有利ですね。
担当の長谷川助手も「パワーが必要な馬場になるのはいいですね」と歓迎していました。
さらに、左回りについては「左回りも過去2回、新馬とダービーで走っただけなので苦手と判断するのは早いと考えています」(長谷川助手)と前向きにとらえています。
今回は田辺騎手へ手替わりし、新たなスタートを切るクリンチャー。いいリスタートになって欲しいです。
「鞍上が変わるのもクリンチャーにとってひとつのきっかけになるといいな、と思っています。とにかく、クリンチャーに自信をつけさせたい。頑張って欲しいです」(宮本師)
(取材・文:花岡貴子)