1981年に創設されて以来、ほぼ一貫して夏の小倉開催を代表する2歳戦として芝1200mの馬齢戦で行われてきた。舞台となる小倉競馬場芝1200mコースは向こう正面2角のポケットからのスタートで、スタート直後から3〜4角の中間地点まではなだらかな下り坂が続く。基本的には逃げ、先行馬が圧倒的有利にレースを進められるコースだが、ここでオーバーペースとなるようだと、最終週の荒れた芝コースに脚を取られて、追い込みの台頭もある。
過去10年で1〜3番人気馬は9勝2着4回3着2回。新馬戦を勝ってきた馬が5勝、未勝利戦を勝った馬が3勝。2勝馬は過去10年で9頭が出走し1勝2着2回3着1回。キャリアの浅い馬たちによる争いだけにファクターが少なすぎるので頭が痛いが、近年の優勝馬ファンタジスト、アサクサゲンキ、レーヌミノル、シュウジと2歳の夏競馬がピークというような早熟馬ではこなせない傾向もあるようだ。
メンバーを見渡すとそれほど速いペースにはなりそうもなく◎カイルアコナの先行力が大きな武器になりそうだ。父キンシャサノキセキは最優秀短距離馬であり、これまでに産駒が制した5重賞中4勝が2歳戦。15年にはシュウジによって、このレースを制している。母コナブリュワーズは2歳時に函館競馬で勝ちあがり、祖母アンブロワーズは函館2歳Sの勝ち馬。仕上がりの早い血統だ。
相手には2戦2勝マイネルグリット。前走フェニックス賞はデビュー戦から2ハロンの距離短縮戦で、前半3ハロンが2秒7も速い流れ。それでも楽に先行して抜け出した。馬場状態の違いを考慮しても強い内容だった。父のスクリーンヒーローは16年の札幌2歳S優勝馬トラストの父で、昨年は産駒のクリノガウディーが朝日杯フューチュリティSで2着。仕上がりの早い一面も持っている。母マイネショコラーデは函館2歳S2着馬で、祖母コスモヴァレンチは04年の小倉2歳S優勝馬と、こちらも2歳戦に強いファミリーだ。
思った以上にペースが早くなるようだと▲トリプルエースの追い込みが怖い。こちらは全欧2歳チャンピオンで、仏国2冠馬シャマーダル産駒だが、母は米国産サンデーサイレンス産駒の南関東1勝馬。祖母は仏1000ギニー2着馬で、マルセルブサック賞3着馬。奥深さでは1番かもしれない。
リアルインパクト産駒の△ラウダシオン、キャリア豊富な△シゲルミズガメザ、ロードカナロア産駒のテーオーマルクスのレースぶりも注目だ。