毎年ゴールデンウィークに船橋競馬場で開催されるのが、ダートグレード競走のかしわ記念。フルゲートは14頭だが、今年はJRA所属馬出走可能頭数6頭マックスなのに対し、8頭の地方所属馬枠からはナンヨーオボロヅキ1頭のみが出走で、7頭立ての少頭数で行われる。

　今年のかしわ記念は2018年のチャンピオンズCを勝利して以来1年半ぶりの復帰初戦を迎えるルヴァンスレーヴと、ダートに転向してフェブラリーSを制したモズアスコットの2強ムード。その2頭のうち私が本命としたのはモズアスコットの方だ。

　デビュー以来芝を中心に使われてきて安田記念でGIを勝利した実力馬。今年に入って初めてのダートに挑み根岸Sを勝利すると、続くフェブラリーSでも快勝。前走の高松宮記念では結果を出すことはできなかったものの、無敗のダートならルヴァンスレーヴ相手でも勝機はある。

　一方のルヴァンスレーヴは1年半ぶりの実戦が危惧される分対抗としたが、2018年ジャパンダートダービーでGI初勝利を挙げると、続くマイルCS南部杯→チャンピオンズCと古馬相手にも勝利した王者。自在性もあるのも魅力で、久々さえ苦にしなければあっさりとモズアスコットを下す可能性も十分にある。

　2頭が双璧をなす今回のかしわ記念だが、ルヴァンスレーヴが長期休養明けでパフォーマンスを発揮できなかった場合には、サンライズノヴァが割って入る可能性もあるとみている。

　前走のフェブラリーSでは上がり最速の脚を使って3着と上々の結果だったし、マイルCS南部杯でGIを制している。上記2頭と比べるとやや劣る印象ではあるが、名手武豊騎手を背に侮れない。

　穴で狙いたいのは先行力が魅力のアルクトス。前走は積極的に勝ちに行く競馬で9着に敗れたが、今回は少頭数でペースが上がることは考えにくく、内目の枠を生かして前々の競馬ができれば残り目がありそうだ。

　馬券は頭数も少ないことから、モズアスコットを軸に相手は3頭でまとめたい。

(取材・文＝「勝馬」記者・豊岡加奈子)

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