「JBC競走」が今年で節目の第20回を迎えるのを機に新設された第1回JBC2歳優駿JpnIII(11月3日=祝・火、1800m外回り)をめざし、高素質の2歳馬が次々と勝ち上がっている門別競馬。2013年デビューの
ハッピースプリント(同年、2歳でNAR
グランプリ「年度代表馬」に選出)を筆頭に、数多くの逸材が毎年のように「5月デビュー」から大舞台へと羽ばたいていく傾向にあるのだが、今年もGW後半開催だった先週5日、6日の新馬戦(JRA認定フレッシュチャレンジ競走)4鞍で大注目の素質馬たちが相次いでデビュー勝ちを決めてみせた。
まずは5日(火)5R、1着賞金が250万円と通常のフレッシュチャレンジ競走より50万円高い「スーパーフレッシュチャレンジ競走/1100m外回り」を5馬身差で圧勝した
サイダイゲンカイ。1分07秒2の勝ち時計が優秀なのはもちろん、追われて鋭く反応しみるみる後続を引き離した瞬発力も圧巻だった。1着の枠場で出迎えた担当厩務員さんが「これは本当に自信あった!」と声を発したのも、その期待の大きさを物語る。ちなみに、同厩務員さんは
ハッピースプリントがデビュー2連勝を決めた時点で、地元の北海道2歳優駿JpnIIIを飛び越え、大目標は「全日本(2歳優駿JpnI)だから」と話していた。多くの逸材を担当してきた腕利きも、思わず言葉に力が入る
サイダイゲンカイ。今後の成長にぜひ注目していただきたい。
同日7Rで新馬勝ちの
ルイジアンナは、新種牡馬
ダブルスター(名牝
ラブミーチャンの半弟)の初年度産駒で、能検での好内容から注目されていた一頭。レースでは3番人気だったが、1000mで前付けできるダッシュ力もみせ、直線で2着以下を突き放す快勝だった。一本調子ではなく距離延長もクリアできそうな印象だし、時計も詰めてくるだろう。こちらも今後の飛躍に期待したい。
6日(水)の新馬戦2鞍も、非常に楽しみな逸材が相次いで勝ち上がった。5Rのフレッシュチャレンジ(牝、1100m外回り)では
エスポワールシチー産駒の
プラチナステージが好発から次元の違う
スピードで9馬身差の圧倒劇。1分07秒4の勝ち時計も、前出
サイダイゲンカイとわずか0秒2の差(いずれも馬場状態は「重」)だ。鞍上の石川倭騎手は、終始単走での圧勝に「(レース経験の中で得られる)収穫はあまりなかったですけど」と振り返ったが、それもエンジンの違いゆえ。次戦以降、勝ち馬同士で争う中でさらにパフォーマンスを上げてくるなら、牝馬戦線を牽引する存在となる可能性も十分だろう。
同6Rのフレッシュチャレンジ(1000m)で6馬身差をつけたリーチもかなりの逸材。道中3、4番手も嫌がることなくスムーズに追走し、直線半ばで抜け出すと持ち前の瞬発力であっという間に大きな差をつけた。1分00秒5(重)の走破時計も文句なしに優秀、大ベテラン井上俊彦騎手も素質の高さを評価し「短いところが良さそうかな」とコメント。順調なら「日本一早い2歳重賞」栄冠賞H2(6月30日、門別1200m外回り)直行ということになりそうだ。
2歳新馬戦は、きょう13日に1鞍(第4競走)、あす14日も3鞍(第5、第6、第7競走)が予定されている。是非とも御注目いただきたい。
さて、きょう13日のメイン11RはC1-2〜C2-1組条件の特別戦「登別地獄の谷の鬼花火特別/1200m外回り」。12頭が顔を揃えたが、突き抜けた存在は見当たらず、スタートと道中の流れ次第で走るたびに結果が違ってきそうなメンバー構成と言えそうだ。人気薄の好走に期待を懸けたい皆さんも、大いに楽しめるのではないかと思う。2連勝めざす
ラキウラに、前々走同馬に鋭く迫った
キタキタフーガ、叩かれつつ上昇ムードの
マッターホルンや
マイウェイカイ、
オープンアーム、
ビービーソウル、
ロードソレイユ等々、上位候補は五指に収まりきらない顔ぶれだ。発走は20時35分。お楽しみに!
(文:ひだか応援隊)