6月4日、園田競馬場で重賞・六甲盃(2400m)が行われる。今回で58回目を迎える古馬長距離重賞で、10年以上にわたり3月に行われていたが、昨年度から6月開催に変更。それに伴い地方全国交流となり、6月は古馬中長距離重賞が少ないこともあって船橋から1頭、川崎1頭、愛知3頭の遠征馬を迎えての12頭立てとなった。最近の園田の中長距離重賞は「タガノゴールドvsエイシンニシパ」の図式。しかし、ニューフェイスが加わったことで面白味がグンと増した。
それでも中心はタガノゴールドだろう。2000mを超えるとさらに強さを発揮する馬で、2走前のダイオライト記念(JpnII、船橋2400m)は2番手から粘って5着。前走の兵庫大賞典は今回と同じ2番枠で、勝負所ではマークが厳しくなかなか動けなかったが、直線手前で外に進路を見出すと楽に差し切って見せた。「前走は輸送減りが戻った分もありますが、それでも少し重たかったです。今はいい体になっていますし、引き続きいい状態です」と新子雅司調教師。元々、溜めれば弾ける馬が、今年に入ってから先行できるようにもなり、強さに磨きがかかっている。ここでも主役を張るだろう。
同じく末脚が武器なのはマイフォルテ。前走は笠松に遠征してオグリキャップ記念で重賞初制覇を果たした。父ディープインパクトということもあってか、地方競馬では珍しいキレ味タイプ。田中一巧調教師は「強い馬がいますが、つけ入る隙もあると思います」と話す。タガノゴールドが勝った姫路・白鷺賞と同日のレースでは、スローペースだったとはいえ上がり3Fでタガノゴールドより0.2秒速い38.1秒で勝っている。地元に凱旋し、上位争いにも加われそう。
エイシンニシパは2400mという長距離で田中学騎手とのコンビが楽しみ。「動の木村(現調教師)、静の田中」と言われるように、折り合いをつけることに長けた4000勝ジョッキーだ。一昨年、六甲盃が3月開催の時はコース適性を見込んで佐賀・はがくれ大賞典(2000m)に遠征したが、六甲盃が6月に移動したことで出走してきた。やや距離は長いかもしれないが、橋本忠明調教師によると「最近はずっと着けていたブリンカーを今回は外して折り合いに専念しようと思います。1つ年を重ねたり、最近は暑くなっていますが、ケロッとしています。今回は追い切りを1本増やして挑みます」とのこと。
また、8戦続けて2000m以上のレースを選んでいるアッキー(川崎)は、昨年のエンプレス杯(JpnII、川崎2100m)で5着のほか、昨年の北國王冠(金沢2600m)では2周目スタンド前から先頭に立ち、3コーナーから勝ち馬タガノゴールドに並ばれるも粘りに粘って2着。前走でも3コーナー過ぎから並びかけられながらも決して抜かせなかったように、勝負根性のある馬。タガノゴールドらが来る前から早めに動き出して粘るシーンもありそう。
オグリキャップ記念組のマコトネネキリマル(愛知)とキャッスルクラウン(船橋)も実績上位の馬。マコトネネキリマルはオグリキャップ記念のパドックで馬体を良く見せていて、状態の良さが伝わってくるし、キャッスルクラウンは地元リーディング・吉村智洋騎手とのコンビでどんな一面を見せるだろうか。地の利を生かせるマコトタリスマンも長距離が得意なだけに侮れない。
六甲盃は6月4日園田11R、16時00分発走予定。
(文:大恵陽子)