例年、地方競馬で開催される真夏のダート
グレード3連戦。佐賀競馬場では、サマーチャンピオン(JpnIII)が行われる。実績No.1の
コパノキッキングと武豊騎手の初コンビが話題も、58.5kgを背負う波乱含みのハンデ戦。浅野靖典が各馬の負担重量を軸に展望する。
「8月12日(水)に佐賀競馬場で行われるサマーチャンピオンは、1400mのハンデ戦。JRA所属馬が5頭、地方競馬からは7頭がエントリーしました。
しかし佐賀で活躍中の
ドラゴンゲートは回避することになりました。佐賀に移籍してから11連勝で迎えた吉野ケ里記念でまさかの3着。そのレースを制した
ミスカゴシマは出走登録をしておらず、2着の
ハッピーハッピーも回避に。
サマーチャンピオンはJRA勢が上位を占めることが多いレースですが、2002年は笠松の
フジノコンドル、2007年は愛知の
キングスゾーン、
2018年は兵庫の
エイシンバランサーが優勝しています。
ただし、このレースがハンデ戦になった2007年以降、優勝馬の負担重量はすべて54kg以上。53kg以下で3着以内に入ったのは、2019年2着の
ヒザクリゲ(JRA・53kg)、2019年3着の
シャインヴィットゥ(JRA・53kg)、2014年2着の
ピッチシフター(愛知・52kg)、2013年3着の
コスモワッチミー(高知・52kg)の4頭だけとなっています。
今年の地方所属馬は負担重量がすべて52kg。そのなかでは
ナムラムートに勢いが感じられます。JRAのダート短距離で2勝を挙げ、兵庫に移ってからは1230mで3戦3勝。
スピードと決め手をいかして、少しでも上の着順を目指したいところでしょう。
となると、やはり中心はJRA所属馬。なかでも重賞4勝、昨年のJBCスプリントで2着に入った実績がある
コパノキッキングが注目を集めることでしょう。58.5kgのハンデは心配ですが、同じ重量では2011年にスーニが優勝しています。
前走で1400mを勝利したのが、サヴィと
メイショウテンスイ。サヴィはオープン特別の天保山ステークスを制し、
メイショウテンスイは3勝クラスの大阪スポーツ杯を勝利。どちらも不良馬場で、走破時計もほとんど同じでした。ただ、サヴィは前走と今回が同じ負担重量で56kg。
メイショウテンスイは前走より1kg減の53kgですから、
メイショウテンスイのほうが有利と考えられるかもしれません。
ヤマニンアンプリメは昨年のJBCレディスクラシックを勝ちましたが、全9勝のうち8勝はコーナー2つの舞台。ダートで8戦して3着内率100%の
ヒラソールは、佐賀の深い馬場が課題になりそうです。
しかしながら例年と違うのは、今年のJRAからの遠征馬が5頭とも、近走成績が良好という点。過去10年のサマーチャンピオンでは、『5走前までに、JRAのダート1600m以下で勝利していた馬が“1頭だけ”連対する』という小ネタがあるのです。
今年のJRA所属馬のうち、この小ネタに該当するのは
ヤマニンアンプリメ以外の4頭。はたしてこの法則は続くのか? その点も含めて8月12日(水)の第7競走(16時55分発走)、サマーチャンピオンに注目です!」
(文=浅野靖典)