やまびこ賞を圧勝したピアノマン(写真提供:岩手県競馬組合)
創設は1969年で、当初は岩手競馬のダービーとしての位置付けであった。開催時期、位置付けなど幾度かの変遷を経て2020年、岩手競馬の三冠レースの体系が再構築されたことで、不来方賞が三冠最後の競走となった。また上位3着までの馬に10月4日に行われるダービーグランプリの出走権が与えられる。三冠最後のタイトルを目指して、2冠目の東北優駿1着のフレッチャビアンカ、2着のピアノマン、1冠目のダイヤモンドカップ優勝のグランコージーをはじめ、8頭がしのぎを削る。
◎はピアノマン。2走前の東北優駿は南関東からの転入初戦ということもあり、どのような走りを見せるのかに注目していたが、早めに動いていった分、フレッチャビアンカに差されて2着と敗れはしたものの、強い内容の競馬だった。続くトライアルのやまびこ賞でグランメガスマイルに4馬身差をつけて圧勝とポテンシャルの高さをここでも披露。今回はフレッチャビアンカを逆転しても不思議ではない。
○にフレッチャビアンカ。1番人気に推されたダイヤモンドカップはグランコージーに9馬身差をつけられての2着と敗れたが、東北優駿では人気を落としながらもピアノマン以下をおさえて優勝し、改めて力のあるところを証明した形だ。休み明けも心配ないだろうし、このレースも勝ち負けを期待。
▲にテンカビト。こちらは転入初戦で初コースが鍵となるが、ホッカイドウ競馬で4勝と能力はありそうで、いきなり上位争いする可能性は十分だ。
△にグランコージー。一冠目のダイヤモンドカップの覇者。前走の東北優駿はハイペースが響いての4着。前走と同じ2000mの今回は、スムーズに先行できれば上位争いに食い込めるだろう。
東北優駿1、2着馬の一騎打ちムードに、新顔テンカビトにダイヤモンドカップの覇者が加わり、少頭数ながら見応えある競馬になりそうな不来方賞は、9月6日(日)、18時10分発走。
(文:佐々木祥恵)