【秋華賞予想】 デアリングタクト無敗3冠達成の可能性は? 相馬の達人が馬体から出走有力馬を斬る!/JRAレース展望

2020年10月17日 18:33

紫苑Sを制したマルターズディオサ。重賞2勝の実績はメンバー上位だけに、展開次第では一発の可能性も(写真はチューリップ賞時)

 今週の秋華賞では、デアリングタクトが史上初となる無敗での牝馬3冠に挑みます。この時期に気になるのは天候ですが、今のところ雨予報は出ていないので、良馬場前提で考えたいと思います。

 このレースは過去10年間で1番人気が4回馬券圏内から消えているように、京都の内回り2000mという紛れが起きやすい舞台ですが、今年はどうなるのでしょうか。先週の馬場なども踏まえつつ、馬体を解析して好走しやすい馬を選びたいと思います。

 まず先週の傾向ですが、京都芝コースは道悪での競馬でしたが、メインの頃にはだいぶ回復し、京都大賞典はそこそこのペースで流れたにもかかわらず、レースの上がり3Fは35秒0とマズマズの速さでした。上位に来ている馬もその前から手先の軽い馬が多く、質的には軽くなっていたといっても良いでしょう。

 今週の天候を考えるとクッション値もだいぶ高くなっていることが予想され、馬場状態としてはかなり軽い馬場になっていることが予想されます。ですから、先週はほとんど振るわなかったディープインパクト産駒の成績などもグンと上がってくると思います。

 また、脚質的には道悪の先週でもフラットといって良い状態。外からの差しも決め手があれば決まっていましたし、逃げ粘りもありました。このあたりを踏まえながら各馬の馬体やレースを考察していきましょう。

 まずは、1番人気必至のデアリングタクト。春はボテっとしているところがありましたが、休み明けでも引き締まって完璧に仕上がっています。皮膚を薄く見せ、内部の筋肉も密度を増してパワーアップ。牡馬顔負けの馬体です。飛節も力強く、極端に硬すぎる馬場でなければ3冠は濃厚でしょう。

 続いて、トライアルを制したリアアメリアですが、こちらは全身バネという感じの馬体。春に比べて、腰から飛節にかけてしっかりしたことが前走で前に行けた要因でしょう。馬体が研ぎ澄まされてきましたし、使われて気性面でうるさいところが出てこなければ上位争いは必至でしょう。

 紫苑Sを勝ったマルターズディオサはツナギが深く、馬格の割に体高もあるので距離は問題ないでしょう。馬場も合いそうです。春まではキズナ産駒らしい筋肉のボリューム感が目立っていましたが、この秋はスッキリしたシルエットにモデルチェンジ。背中やトモの筋肉に強度がありますし、ここも好勝負に持ち込めそうです。

 四肢が柔軟で適度に軽さもあって時計対応もできる造りのウインマリリン。春のオークス以来のレースとなりますが、スッキリできていますし、トモに厚みも出てきました。動ける態勢に仕上がっていますし、コース的に早目に立ち回れるのも強み。ここも好勝負でしょう。

 クラヴァシュドールは前走・ローズS時は形こそできていたものの、筋肉の張りがイマイチでした。今回はグンと引き締まって、トモの張りも格段にアップ。ツナギが深くて柔軟、手先にも軽さがあるので軽い馬場も対応可能。立ち回りの巧さもあるので、今回は良さを出せそうです。

 サンクテュエールは春のようなボリューム感はありませんが、四肢に柔軟性が感じられますし、無駄肉がないことを考えればこれくらいが良いでしょう。馬場も合っていそうで、枠や立ち回りひとつで上位争いは可能でしょう。

 パラスアテナは前回と大幅に変わったところはありませんが、スッキリ仕上がっていますし、四肢の柔軟性も良い感じ。手先の軽さもあって馬場は合いそうです。ルーラーシップ産駒にありがちな硬さもありませんし、パンパンの良馬場なら面白いところがあります。

 ウインマイティーは、ゴールドシップ産駒らしい直飛節気味で柔軟なツナギで、トモの容量がそこそこある体型。ただ、春に比べるとまだ良化途上という感じで少し張りが欲しい印象。馬場を考えると、手先にももう少し軽さが欲しいところです。

 前走時よりも絞れて、スッキリしてきた感じを受けるマジックキャッスル。ただ、ツナギや脚が短めで胴も詰まり気味なので距離はマイルがベストでしょう。

 ミヤマザクラは、腹袋がどっしりして筋肉の付き方も良くなりました。やや余裕はありますが、春よりもパワーアップしています。四肢に柔軟性があって馬場も合いそうで、ひと絞りあれば通用しても良いでしょう。

 エピファネイア産駒で体幹が強く、見た目よりも走る印象のムジカ。手先が軽く馬場は合いそうですし、筋肉の強度も高くなっています。成長という点で怖い一頭です。

 ここまで有力馬を見てきましたが、総括すると、デアリングタクトはどちらかというとパワータイプなので、極端に軽い馬場だと多少の不安はありますが、そこまで馬場が硬くなければ問題ないでしょう。前哨戦で復活したリアアメリアは良化が顕著ですし、前走のような競馬ができれば逆転があっても。

 そのほかでは内目の枠を引けたときのクラヴァシュドールや、立ち回りの巧さがあって馬場が合いそうなパラスアテナ、去年のシゲルピンクダイヤのような雰囲気があるムジカあたりが面白そうです。馬場や当日のデキなども踏まえて、結論はウマい馬券の直前予想で。発走20分前頃に更新いたします。(※クラヴァシュドールは5枠10番で確定)
(文=古澤秀和)

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