2014年から阪神芝外1600mで行われるようになった朝日杯FS。この阪神の朝日杯FSに強い血といえば、まずデインヒルがあげられるでしょう。ここ4年の勝ち馬のうち、
サリオス(母母父タイガーヒル)、
ダノンプレミアム(母母父デインヒル)、
サトノアレス(母父デインヒル)と、3頭が母系にデインヒルの血を引いているのです。
デインヒルの最大の特長といえば、大きくて強靭な後駆。急坂コースの芝1600mで行われる2歳チャンピオン決定戦ですから、この強靭な後駆を得たマイラーに有利な舞台といえるわけです。
もうひとつ、朝日杯FSに強い血をあげるならばキングマンボでしょう。15年は1着
リオンディーズと2着
エアスピネル、キングカメハメハ産駒のワンツーでした。19年2着
タイセイビジョンや17年2着
ステルヴィオもキングマンボの血を引いています。
今年の出走馬でデインヒルの血を引くのは、
アスコルターレ、
グレナディアガーズ、
ショックアクション。キングマンボの血を引くのは、
ドゥラメンテ産駒の
アスコルターレ、
ジュンブルースカイ、
ドゥラモンドに、キングカメハメハ産駒の
ホウオウアマゾンです。
一方、戦績やローテからみると、過去5年の勝ち馬はいずれも前走芝1600m以上のレースを勝っており、
リオンディーズ(芝2000mの新馬勝ち)以外の4頭は芝1600mの重賞か特別レースを勝っての参戦でした。
先にあげた馬たちで、前走芝1600mの重賞・特別レースを勝っているのは
ショックアクションと
ドゥラモンドの2頭。近年の傾向やデータでいえば、勝つのはどちらかということになります。
ホウオウアマゾンも手堅い戦績ですが、前走勝っていないのがどうでしょうか。デイリー杯2歳S2着馬は阪神の朝日杯FSで[0-0-1-3]、みんな着順を下げています。
1400mで勝ってきた馬は、朝日杯FSでは勝てないまでも好走した例はたびたびあります。最近だと
タイセイビジョン(19年京王杯2歳S1着→朝日杯FS2着)、
グランレイ(19年未勝利1着→朝日杯FS3着)、
タワーオブロンドン(17年京王杯2歳S1着→朝日杯FS3着)、
モンドキャンノ(16年京王杯2歳S1着→朝日杯FS2着)などで、この4頭は1400m戦を差して勝っていた点が共通します。マイルに延びても、差しに回って好走できそうな裏付けがあったわけです。
例えば、
モントライゼのように京王杯2歳Sを先行して勝った馬は、18年
ファンタジスト3人気4着、15年
ボールライトニング4人気11着、14年
セカンドテーブル11人気14着と振るいません。今年の場合、もみじSの
アスコルターレや秋明菊賞の
ブルースピリットも先行して勝っているので、重い印はなかなか打ちにくいですね。京王杯2歳S組ならば、4角11番手から差して2着だった
ロードマックスのほうを上位視する手でしょうか。
(文=望田潤)
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