今年も引き続き中京競馬場で行われる2021年のセントウルS。このスプリンターズS前哨戦で昨年、12番人気2着のメイショウグロッケに本命を打った人気予想家・TARO氏に、「コース」の視点からを中心にポイントを解説してもらった。
◆3歳勢は「特別買いではない」
秋競馬の開幕を飾るGI前哨戦・セントウルSは、中京芝1200mというコースを読み解くことが大きなポイントです。
中京競馬場が改修されたのは2012年。当初は外からの差しが決まっており、7〜8枠の馬や外を回した馬が断然有利でした。しかし年を経るごとに傾向が変化、近年はむしろ内枠有利になるケースが増えています。
これはデータからも明らかで、同コースの8枠は、2012年のデータを見ると馬券圏内率33.7%、単複の回収率も100%超と優秀。ところが、2020年〜前開催まででは、馬券圏内率11.1%、単複の回収率も50%以下という散々な結果になっています。逆に1枠は2012年には10%台と散々な一方、2020年以降は30%超で、単複回収率も100%を優に超えているのです。
昨年本命にした◎メイショウグロッケも、3番枠から道中ロスなく立ち回れたことが12番人気を覆す2着激走に繋がりました。だから内枠が良い…というよりは、それだけ馬場次第で有利な枠が変わるコースということです。したがって、今年もまずは馬場を読むことが重要になります。
また、今年は3歳馬も注目を集めそうです。この夏の短距離戦線ではアイビスサマーダッシュを3歳牝馬オールアットワンスが制したのを皮切りに、同じ3歳牝馬のヨカヨカ、レイハリアも重賞制覇。そう考えると、3歳牝馬シゲルピンクルビー、そして3歳牡馬ピクシーナイトは怖いかもしれません。
もっとも3歳勢の活躍に関しては特に短距離では珍しくなく、短距離ほど斤量差の影響が大きく、毎年のように早期から活躍します。セントウルSでも過去5年で6頭出走し3頭が馬券絡み。それ以前にも2015年に10番人気で勝利したアクティブミノルなど、伏兵3歳馬の激走がしばしば見られました。今年の3歳勢だから特別買いということはないでしょう。
以上を踏まえ、さらに枠順や週末の天候を考慮した上で注目したいのは、タイセイビジョン。前走のCBC賞は超高速馬場に対応しきれなかった感もありますが、もともと1400mでも掛かるくらいのスピードがある馬で距離自体は問題ないでしょう。急坂コースもプラスなので、内枠を上手く生かして立ち回れればチャンスがありそうです。
あとはいつも通り土曜の馬場状態や陣営のコメントをチェックして、最終結論を出したいと思います。