【ジャパンC予想】敏腕記者が大一番を展望 伏兵含めた各馬のキーポイントは

2021年11月27日 21:12

東京の上がり勝負なら巻き返してくるシャフリヤール(撮影:下野雄規)

 ジャパンCは41回目を迎えた。決して一流馬と言えないメアジードーツに日本馬があっさり敗れてから長い月日が過ぎた。今や日本馬は強くなった。今年は外国馬が3頭参戦するがキーファーズの共同所有馬が2頭含まれており実質は1頭と言っていい。来年から1着賞金が4億円になるが、これを目当てに外国馬の参戦が増えるとは到底思えない。開催時期、馬場など本質的な問題がある。日本馬悲願の凱旋門賞制覇もジャパンCの外国馬参戦問題も抜本的な改革がなければとても解決しない。

◆焦点はやはりこの2頭

 前置きが長くなった。今年のジャパンCは昨年の3冠馬3頭の激突と比較すれば手薄。トピックはコントレイルのラストランと史上初のダービー馬4世代対決になる。とはいえワグネリアンとマカヒキに多くを望むのは酷だろう。コントレイルとシャフリヤールの初対決が焦点になる。

 福永騎手は「自分にとってはスーパースター。3冠馬の名誉を守る」と語った。思えばダービー制覇まで苦労した福永騎手が勝利に導いたダービー馬が3頭そろうのも感慨深い。考え抜いた作戦、コース取りなどまさに当代随一のジョッキーになった。コントレイルは天皇賞・秋で3F33秒0のメンバー最速の末脚で2着。3冠制覇以降は不安説も流れるなど波乱の競走馬生活となったが、東京では持ち味の切れ味を見せた。課題はゲート。「練習では何ともないのに競馬になると悪くなるから始末が悪い」と矢作師は天皇賞・秋後に表情を曇らせた。それでも2400mの流れならリカバー可能だ。マイルCSのグランアレグリアのように有終の美を飾りたい。何より3冠制覇後に未勝利で終わった牡馬は菊花賞で引退したセントライトを除けば1頭もいない。不名誉な記録は免れたい。

 シャフリヤールは神戸新聞杯で不良馬場に泣き4着。東京の上がり勝負なら巻き返してくる。ハイレベルの3歳勢の中でもエフフォーリアと双璧を成す存在。天皇賞・秋でエフフォーリアがコントレイルに先着した。菊花賞も天皇賞・秋もスキップしてここを狙いすましたローテーションで臨む。一瞬の切れ味をどこで使うかが世代交代への鍵だ。

 カレンブーケドールの回避は何とも残念。東京巧者オーソリティがルメール騎手とのコンビで人気になるがGIの壁を突破できるか。菊花賞の雪辱を狙うアリストテレスは速い上がりの決着が鍵。オークス馬ユーバーレーベンはたたいた上積みと東京コースでどこまで。この条件が向くキセキや左回り巧者サンレイポケットも上位争いだ。キーファーズの2頭はブルームもジャパンもデルマーの硬い馬場を克服したのが強みになる。これらの馬がダービー馬2頭が得意なスローの瞬発力勝負にならない展開に持ち込めば波乱の可能性が出てくる。あくまで伏兵だがキセキに思い切った競馬を期待したい。

(文=高橋利明)

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