「朝日杯FS・G1」(19日、阪神)
輸入牝馬の直仔が大舞台で続々と活躍する中で、
レイパパレのような日本競馬の礎を築いてきた牝系の子孫が、突如として現れるのが血統の面白いところだ。その意味で、朝日杯FSのメンバーで最も興味をそそられるのは、無傷の2連勝で札幌2歳Sを制した
ジオグリフ。
同馬の母系は、まさに社台
ファームの歴史そのもの。注目すべきは3代母に当たる
アンデスレディーだろう。この馬自身は通算8戦1勝と目立った活躍ではないが、大種牡馬の父ノーザンテーストの血が、子孫へ大きな
パワーを与えた。
一番の恩恵を受けたという佐々木師の話が面白い。「何せ
アンデスレディーの子はウチの厩舎だけで30勝近く挙げたし、重賞も6つ獲らせてもらったからね。
ナスカなんかはサンデーによく似たいい馬だったけど、調教中に腸骨を骨折してしまってね…。でもその子どもの
アロマティコもよく走ったし、この系統から走る馬が出たのは喜ばしいよ。
スピードと根性がよく伝わっている」と教えてもらった。
ノーザンテースト〜サンデーサイレンス〜キングカメハメハとつないできたバトンは、新種牡馬
ドレフォンでさらなる進化を示した。一族悲願のG1制覇も夢ではないだろう。(デイリースポーツ・松浦孝司)