【鳴尾記念予想】宝塚記念やサマーシリーズを見据えた戦い

2022年06月04日 06:35

キングオブドラゴンに期待(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規

 昨年に引き続き中京競馬場2000mコースで行われる鳴尾記念。春シーズン末期というよりもサマー2000シリーズの入り口的な存在に置かれている別定重量戦。このコースの最大の特徴は2%の勾配を持つ坂の途中からのスタートとなること。前半はスローで流れ、最後は瞬発力というよりもロングスパート勝負になることが多い。

 ◎キングオブドラゴンは中京競馬場で5戦して2着4回3着1回。ハーツクライ産駒としては珍しく決め手に欠くタイプで、未勝利を脱出してから1勝クラスを突破するまで16戦を要したが、それをカバーするための逃げ、先行に活路を見出してから成績が急上昇。その後は4戦して2勝2回でオープン入りを果たしている。

 とくに前々走の湾岸Sでは外枠から1度はハナを奪い、絡んできた馬を先に行かせて最終コーナーの手前でそれを交わすと、そのまま最後は押し切った。さすがに阪神大賞典は相手が強かったが、それでも大負けすることなく食い下がっている。

 本馬は、半姉にオメガインベガス(報知グランプリカップ、関東オークス2着)半兄にアメリカズカップ(きさらぎ賞)がいる血統で、母ベガスナイトはイードバイ(種牡馬)、ノーマターホワット(デルマーオークス)の半妹。現役時代はダートで勝ち上がり芝1200mでも勝利した馬で、3勝して2着7回とやはりやや決め手に欠くようなところがあったが、優れた競走能力を産駒に伝えている。

 今回は同型馬はいるものの、どうしてもハナにこだわるというタイプでもなく、むしろある程度ペースがあがっての消耗戦は望むところ。本命に期待したい。

 〇サンレイポケットは新潟大賞典優勝馬。昨年秋は天皇賞・秋4着、ジャパンカップ4着と高いレベルで活躍した。良績が左まわりに集中している馬なので、京都記念は6番人気に甘んじたが、それでも3着。ならばと期待された金鯱賞は、外枠からポジションを取りに行った分、最後は甘くなってしまった。

 大きな怪我を経験している馬だけにレコード決着になるような馬場状態も合わなかったのかもしれない。あの1戦だけで評価を大きく下げるわけにもいかず、改めて注目したい。

 ▲カイザーバローズは重賞初挑戦だった新潟大賞典2着馬。少々クビを上げての走りでレース序盤はスピードに乗り切れず後方に置かれたが、それでも直線勝負にかけてクビ差2着。高い能力を証明した。

 祖母が米国G2勝ち馬で、近親にはティズナウ(米3歳、古馬チャンピオン)がいるファミリーで、ディープインパクト×ストームキャットという、いわゆる鉄板配合馬だ。大事に使われて、今回が9戦目。まだまだ成長の余地はありそうで将来が楽しみな1頭だ。

 悩ましいのは△ヴェルトライゼンデだ。ホープフルS2着、ダービー3着。ほかGII重賞で2着が3回あるように高い能力を持っているのは間違いないが、屈腱炎による長期休養明け。D.レーン騎手を配してきたことに加え、気性で走るような1面もあるので無視はできないが、中心視もしにくい。

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