かつて、と言ってもずっと以前はダービーやオークスで負けてしまった馬やクラシックレースに出走権利を与えてもらえなかった外国産馬が集うレースだったが、近年というかここ最近は秋に向けて飛躍を誓う馬たちのきっかけとなるようなレースになっており、18年には
フィエールマンがこのレース2着から菊花賞を制したほか、20年は
バビットがセントライト記念を制覇。
◎
ボーンディスウェイは葉牡丹賞の優勝馬で、弥生賞は2着だった
ドウデュースとは半馬身差3着。最後の直線で馬体を併せるところまではいったが、最後突き放されてしまったのは仕方ない。それでもゴール前で再び差を詰めてきたあたりに能力を感じさせるものだった。
持ち味である先行力を生かして勝ちに行った皐月賞は、結果的には最後の直線で苦しくなったが、大きく評価を下げる必要ない内容だった。ハーツクライ産駒で、母ウィンドハックはイ
タリア1000ギニー。半兄
ブランドベルグは15年の本レースで5着だったが、その雪辱を期しての出走だ。
〇
クロスマジェスティはアネモネSの優勝馬。先行力とハンドリングの高さが武器で自分で競馬を組み立てられる強みを持っている。アネモネSは途中でペースが極端に落ちる難しいペースになったが2番手でしっかりと折り合い、早め先頭から後続を楽に突き放した。自分のレースができなかった桜花賞は見せ場なく敗れたが、それでも勝ち馬から0.9秒差なら悪くない。牝馬にとっては鬼門のようなレースだが、今回は行こうと思えばハナを切れるようなメンバーで、立ち回りの上手さが最大限に発揮できそうな組み合わせとなった。
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ソネットフレーズはデイリー杯2歳S2着。コーナーを4回まわる競馬の経験がないのはマイナスだが、インでじっと息を潜めて最後の直線で内から伸びて
セリフォスとクビの上げ下げまで持ち込めたのだから器用さも持ち合わせていると判断した。祖母に
アドマイヤグルーヴがいるスケールの大きな血統馬で、半兄
ボーデンは昨年の本レース1番人気馬。脚部不安明けだった前走を使われての上積みは見込めるが、牝馬の54kgは少々見込まれた感がある。
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ベジャールは毎日杯2着。まだ子供っぽさを多分に残す馬で、前走などは1度は交わしたように見えた馬に最後は再び突き放されてしまった。キャリアの浅い馬で、スタートに課題を残すなどまだ子供っぽさを多分に残すが、その分伸びしろもありそうだ。未勝利、エリカ賞を連続レコード勝ちし、ス
プリングS3着△
サトノヘリオス、多分に若さを残すものの豊かな将来性が垣間見える△
グランディアなど。ハンデ戦らしい混戦が予想される。