【英G1・ジュライカップ】日本調教馬アグネスワールドの快挙から22年 キングエルメスが「日本産馬」初制覇を目指す

2022年07月05日 21:27

アグネスワールド(左)、キングエルメス(右) (撮影:下野雄規)

 7月9日にイギリスのニューマーケット競馬場で行われるジュライカップ(3歳上・英G1・芝1200m)。夏に行われる英スプリントG1の第3戦で、6月に行われるキングズスタンドS、プラチナジュビリーS(旧ダイヤモンドジュビリーS)に出走したスプリンターが例年集う。1876年に創設された歴史あるこのG1に、日本からキングエルメス(牡3、栗東・矢作芳人厩舎)が参戦予定だ。

 これまでの歴代優勝馬には、史上4頭目の英クラシック三冠を達成し生涯16戦全勝の成績を残したオーモンド(Ormonde)や、1948年から1950年にかけてイギリスのスプリント路線を総なめにした歴史的スプリンター・アバーナント(Abernant)、種牡馬として大成功を収めたグリーンデザート(Green Desert)など、錚々たる顔ぶれが名を連ねている。その中に、今から22年前、日本から参戦したアグネスワールドの名前が刻まれている。

 アグネスワールドは父Danzig、母Mysteries、母の父Seattle Slew。半兄に1995年のスプリンターズS(GI)覇者ヒシアケボノがいる米国産馬で、1997年6月に競走馬デビューを果たした。続いて函館3歳Sに出走し、無傷2連勝で重賞初制覇。勝ち時計は当時のレコードタイムだった。朝日杯3歳Sでは後にグランプリ連覇を果たすグラスワンダーの4着となるが、返す刀で全日本3歳優駿に駒を進め、ダート初挑戦で重賞2勝目を飾った。その後、翌1998年のシンザン記念で2着に好走するが、骨折により1年間の長期休養を余儀なくされた。

 1999年に復帰し、高松宮記念、安田記念と古馬GIにも挑戦。同年7月の北九州短距離Sを逃げ切り、勝ちタイム1分6秒5を計時。以降22年間破られることのない日本レコードを叩き出した。同年10月、フランスに遠征を敢行。ロンシャン競馬場で行われたアベイ・ド・ロンシャン賞を制し、G1初勝利を飾った。

 翌2000年6月、イギリス遠征を敢行。キングズスタンドSで勝ち馬ニュークリアディベイト(Nuclear Debate)から0.2秒差の2着に好走すると、翌7月にジュライカップに挑戦し、日本調教馬として史上初となるイギリスでのG1制覇を果たした。以降、ジュライカップにはシーキングザダイヤ、キーンランドスワンが挑戦しているが、両馬とも12着と大敗しており、勝ち星は挙げられていない。

 今回出走するキングエルメスには、22年ぶりとなる「日本調教馬による制覇」がかかる。また、アグネスワールドは栗東・森秀行厩舎に所属していた日本調教馬だが、米国で生まれ日本に輸入された外国産馬だったため、キングエルメスが勝利すれば、史上初の「日本産馬によるジュライカップ制覇」の快挙達成となる。

 今年はコモンウェルスC(英G1)を制したパーフェクトパワー(Perfect Power)、プラチナジュビリー(英G1)覇者ネイヴァルクラウン(Naval Crown)など16頭が出走予定。要注目である。

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