【地方競馬】九州ダービーで見せた竹吉騎手の佐賀流「うまてなし」 名勝負に隠された“ある工夫”とは?

2022年08月23日 17:00

イカニカンで九州ダービーを制した竹吉騎手(撮影:大恵陽子)

 今年、移転開設50周年を迎えた佐賀競馬場。「うまてなし」と題し、レースやファンサービスで様々なおもてなしをしています。

 見応えあるレースも「うまてなし」の一つ。今春には3歳頂上決戦「九州ダービー栄城賞」が行われ、イカニカンが制しました。馬名のインパクトが抜群すぎて、ついそこにばかり目がいきがちですが、2歳秋ぶりに乗った竹吉徹騎手は同馬の成長をしっかり感じ取っていたよう。さらに、「ある工夫」をしてレースを運んだといいます。名勝負に隠された工夫とは。

(取材・構成:大恵陽子)

◆イカニカンは砂が苦手?◆

――九州ダービー栄城賞制覇、おめでとうございます!イカニカンに騎乗するのは2歳の秋以来でしたね。

竹吉騎手 ありがとうございます。2歳で2回乗せていただいた時は、力はあると感じたんですけど、砂を被るとやる気を失くしたり、馬を怖がったりと、まだすごく幼い部分が多くて「まだだな」と思っていました。

――久しぶりの騎乗で成長は感じましたか?

竹吉騎手 馬群で他馬を怖がることがなかったので、すごく成長しているなと思いました。

――1コーナーの映像では、逃げ馬より半馬幅ほど内を走っているように見えました。何か意図があったんですか?

竹吉騎手 自分の中で、まだ「砂を嫌がる」という印象があったので、少し内めを通りました。佐賀競馬場は内の砂が深いですけど、あそこならギリギリいけるかな、と。

――勝利を挙げた多くが砂を被らない逃げでしたが、控えることになったダービーでは絶妙に砂を被らないように運んでいたんですね。

竹吉騎手 ゆっくりなペースも合っていて、4コーナーで前は全部かわせると思いました。あとは後ろから来たらどうかな、と。

――そのままリードを保ち、ゴールでは大きなガッツポーズが出ました。

竹吉騎手 思わずガッツポーズが出ちゃった感じです(笑)。いろんな人からあとで言われました。

――今夏はロトヴィグラスと船橋の習志野きらっとスプリントに遠征。超短距離の1000mで3番手に先行し、5着と健闘しました。ワンターン820mの重賞・園田FCスプリント(エイシンテキサスで同着)の制覇もありますし、スタートが得意なのでしょうか?

竹吉 ロトヴィグラスでは一線級の短距離馬相手だったので、「見せ場をつくろう」という気持ちで乗っていました。でも、僕自身は若い時からすごくゲートが苦手だったんです。佐賀は逃げ・先行が有利なので、「前に行かないと!」と先入観に囚われていました。最近は「スタートが出なければ後ろからの競馬を組み立てたらいい」と思えるようになり、あんまり気負わなくなりました。

――佐賀は前有利ですものね。一方で、2、3着に人気薄の馬が差してくることもある印象です。

竹吉騎手 最近は若い子が減量を活かして内から勢いよく来て、上位に絡む傾向があります。

――最後に、竹吉騎手にとって「うまてなし」とは何ですか?

竹吉騎手 自分たちが一生懸命なレースを見せて、ファンのみなさんに喜んでもらうことです。僕個人としては、最後の直線で一生懸命追っている姿を見てほしいです。

* * * * * * *

 佐賀競馬場では8月25日にサマーチャンピオン(JpnIII、ダート1400m)が行われます。「何かと記録がウマれがち!」のキャッチコピー通り、コースレコードが生まれたり、昨年はラプタスに騎乗した鮫島克也騎手(現調教師)がダートグレード競走最年長勝利記録を更新。今年もどんな記録がウマれるか、ご期待ください。

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