「秋華賞・G1」(16日、阪神)
書き手の私はそろそろ50歳を迎えるが、最近はトレセンで取材をしていても、若い子に対して「あの馬の話をしても分からんだろうなあ」と気を使うことも多々。今回紹介する
ストーリアの血統も、我ら世代には、どストレートなのだが…。
パワーの源は3代母の
シンコウラブリイ。
ストーリアの調教を担当する房野助手にそろりと聞くと「もちろん知っていますけど、僕的にはちょい前の馬です。あの真っ黒の勝負服ね。むしろ僕は、隣の馬を噛みつきにいったシンコウウインディ世代です」と言って笑った。
シンコウラブリイは名伯楽・藤沢和雄元調教師に初重賞&初G1制覇をもたらした名牝。
カーリアン産駒のマル外で、当時は桜花賞とオークスの出走が不可能だったが、93年マイルCSを含む重賞6勝を挙げる活躍で、通算15戦10勝。引退間際の毎日王冠〜スワンS〜マイルCSのパンチアウトは圧巻だった。
戦績からすれば、思いのほか産駒の成績は芳しくなかったが、代を重ねて再び血統表に姿を現すあたりが名牝の底力か。半兄
ロードマイウェイ(19年チャレンジC)も手掛けた杉山晴紀厩舎のノウハウで、鮮やかに3連勝を決めた
ストーリア。抽選を突破すれば、台風の目となりそうだ。(デイリースポーツ・松浦孝司)