アラタは十分勝ち負けできる能力がある(c)netkeiba.com、撮影:高橋正和
秋の福島開催を代表するハンデ戦。東日本大震災があった2011年に新潟競馬場で行われた以外は、同じ条件で行われている。過去10回で1番人気は【2-3-3-2】。逆にトップハンデ馬は延べ13頭走って【1-2-1-9】。1周1600m、最後の直線292mという小回りコースながら、ほぼ毎年フルゲート16頭立てで行われることもあって、過去10年間で4角3番手以内馬は【9-4-2-24】。そんな傾向が関係したかどうかは不明だが、今年は強力な逃げ、先行馬が顔を揃えた。操作性、機動性の高さが勝敗の鍵を握りそうなメンバー構成だ。
◎
アラタは札幌記念の4着馬。条件戦を4連勝して挑んだ昨年の福島記念は1番人気3着だった。逃げても、逃げなくても競馬ができるレースセンスが武器。オープン入りした後はやや壁に当たっていたような印象も受けるが、札幌記念は終始
ソダシを見るような位置でレースを進め、最後は内を突いた
ウインマリリンに迫ったところがゴールだった。あのような競馬ができれば十分に勝ち負けにはなりそうだ。
〇
オニャンコポンは京成杯の優勝馬で、皐月賞6着馬。中山競馬場芝2000mの新馬戦を先行して押し切った時の最後2ハロンは11.2秒、11.1秒という秀逸なものだった。ハイペースに巻き込まれて失速したホープフルSは脚質転換を図り、それが実を結びつつある。勝ち馬、そして2着馬と同じような位置にいたセントライト記念の内容は少々物足りなさを感じるが、前半にやや力んだせいか。
▲
ゴールドスミスはオクトーバーS優勝馬で、福島競馬場芝コースは2戦2勝。ステイゴールド産駒ながらも530kg台という大型馬で、すでに8歳のセン馬だが、途中に長い休養が2度ほどあってレースキャリアは今回が24戦目と年齢にしてはフレッシュだ。夏の阿武隈Sは逃げ切り勝ち。新潟記念は大きく増えた馬体重も影響したか、やや切れ負けしたような印象を受けたが、前走は自身推定33.9秒の末脚で豪快に差し切った。新潟記念から一気の3kg増はやや気の毒だが、前走と同じ56kgなら文句も言えない。
△
サトノセシルはクイーンS2着馬。当時、まだ3勝クラスの条件馬で1角で不利もあったが、最後は外を回って追い上げ、逃げ馬を交わしたところがゴール。内埒ギリギリのところを抜け出した勝ち馬には屈したが、勝ちに等しい内容だった。福島競馬場芝2000mは経験馬相手のデビュー戦で2着。これまでの3勝はコーナー4つのコースで上げており、ワンターンの府中牝馬S4着は地力強化、好調の証だろう。
ほか、追い込み鋭い△
カテドラル、大外枠でも全4勝を福島コースで記録している△
ヴァンケドミンゴも気になる存在だ。