父譲りの末脚が武器のヴェラアズールに期待(c)netkeiba.com
東京競馬場の芝2400mコースを舞台に外国からの招待馬を迎え撃つレースとして1981年に創設され、今年で42回目。当初は来日する馬たちにまったく歯が立たなかったが、2006年以降は、日本の馬たちが16連勝というレースだ。それでも、今年は欧州から4頭の参戦があり、国際色あるレースとなった。
◎ヴェラアズールは京都大賞典の優勝馬。500kgを超える大型馬で、デビューが3歳3月。そのためかデビューから一貫してダート路線を歩んでいたが、今年の春先から芝へと矛先を変え、エイシンフラッシュ譲りの末脚を武器に前走の京都大賞典で重賞初挑戦初勝利。芝コースに限れば5戦して3勝3着2回、いずれも出走メンバー最速の末脚を繰り出している。
前々走ジューンSは逃げた馬が2着に残る展開で上がり3ハロンのレースラップが11.2秒、11.3秒、11.8秒。これを自身推定33.9秒で外から楽に交わし、前走の京都大賞典も11.3、10.9秒、11.7秒の上がりラップだったにもかかわらず、自身推定33.2秒の末脚で突き抜けた。ジューンS2着馬が次走アルゼンチン共和国杯に勝っていることも評価すべき材料だ。
〇オネストはパリ大賞に勝って、愛国の愛チャンピオンS2着だから欧州のA級馬。凱旋門賞は10着だったが、瞬発力を武器とするタイプだけにやむを得ないところか。シーザスターズ×カヤージという母オンショアは未出走だが重厚な配合馬で、フランケルとの配合で軽さと、かつてジャパンカップにも出走した(8着)アーバンシー3×3のクロスを得た。5月のグレフュール賞では強烈な末脚で重賞初勝利を飾っており、東京競馬場は向く印象もある。
▲シャフリヤールは日本ダービー馬で、昨年の3着馬。今年はドバイシーマクラシックに勝ったあと英国プリンスオブウェールズステークスを使い、前走の天皇賞・秋は5着。海外帰りの帰国初戦でもあったが、パンサラッサが作り出したハイラップに脚がうまく溜まらなかった印象だ。得意とする舞台で巻き返しを期待したい。
先行力と粘り強さを武器にする△シムカミルはパリ大賞2着で、日本からドウデュースがチャレンジしたニエル賞にも勝っている。タマユズ×ピヴォタルという組み合わせから言えば、日本の馬場に向く印象だ。また、前走は不利があった△テーオーロイヤルとまだ伸びしろがありそうな△ダノンベルーガ。最後にまだ底を見せていないドイツからの刺客テュネスの名前を挙げておきたい。