左回りコースで安定した成績を残すロバートソンキー(c)netkeiba.com、撮影:下野雄規
昨年、一昨年に引き続き舞台となる中京競馬場2200mコースは4角からのスタートで、1角までの距離も長く、またゴール前には急坂が待ち構えるためにハイペースにはなりにくい。イメージ的にはスローペースで流れて、412.5mの直線を使った瞬発力勝負になりやすい。
ハンデは54kgから59kgまで上下差5kg。制度変更で全体に増量されており、同じトップハンデでも極端に重斤量を背負う馬、あるいは軽量馬の動向には今後とくに注視したい。京都競馬場芝2400mで行われていた時代含め、過去10年間では4歳馬が8勝と圧倒的有利にレースを進めているが、今年はどうだろう。
◎ロバートソンキーはオールカマー2着。中京競馬場は得意としており3歳時に神戸新聞杯では勝ったコントレイルにこそ2馬身離されたが、2着ヴェルトライゼンデとはクビ差の3着だった。祖母トウカイテネシーがトウカイテイオーの全妹という血統。なかなか順調に使い込むことができなかったがダービー前日に未勝利戦を勝ちあがり、1勝馬のまま神戸新聞杯3着。
これまで馬券圏内から外れたのはデビュー戦と菊花賞、天皇賞・春の3戦のみ。中でも左回りコースは【4-1-1-0】としている。57kgのハンデは楽ではないが、過去4戦して【2-0-1-1】。重賞初制覇の夢が広がる1戦。
〇ヴェローナシチーはいまだに1勝馬だが京都新聞杯2着。京成杯3着。とくにレコード決着となった京都新聞杯は当時3着だったボルドグフーシュに先着し、これまで10戦して大きく崩れのは菊花賞12着のみ。
前走で3勝クラス特別を取りこぼしてしまったものの、重賞競走それもGII戦へと駒を進めてきた。やや勝ち味に遅い馬だが、相手なりに走れるのは武器だ。54kgという最軽量ハンデを生かせれば面白い存在だ。
▲ヴェルトライゼンデは鳴尾記念の優勝馬。ホープフルS2着、スプリングS2着、ダービー3着とコントレイル世代を代表する1頭で、途中長い休養があったもののジャパンカップ3着で衰えのないことを示している。半兄ワールドプレミアも脚部不安に悩まされながらも天皇賞・春で復活を果たしたように衰えぬ闘争心が持ち味のファミリーだ。
△ヤマニンゼストは神戸新聞杯2着馬で、菊花賞6着。未勝利脱出まで5戦を要したが、今回と同じ舞台だった神戸新聞杯の健闘は胸を張れる。追い込み一手のために展開の助けが欲しいものの侮れない1頭だ。
△ハヤヤッコは函館記念の優勝馬。ダート競馬で実績を積み上げてきた馬が水分を含んだ洋芝で輝いた1戦だった。前走の中日新聞杯は5着とはいえ、勝ち馬からは0.1秒差。58.5kgは楽ではないが、下り坂の天気も味方してくれそうだ。
最後に青葉賞優勝の4歳馬△プラダリア。秋2戦は期待に十分応えたとは言い難いが、ここは仕切り直しの1戦。注目したい。