【日本ダービー】開業10年目で初挑戦の奥村武調教師、ホウオウビスケッツで皐月賞17着の雪辱だ

2023年05月23日 06:40

開業10年目で初のダービーに挑戦する奥村武調教師

◆第90回日本ダービー・G1(5月28日、東京競馬場・芝2400メートル)

 静かに闘志を燃やしながら夢の大一番に挑む。開業10年目の奥村武調教師は、ホウオウビスケッツで初めて日本ダービーに出走する。前走の皐月賞は17着に敗れたが、「もちろんノーチャンスだったら使いません。一縷(いちる)の望みを持っていくし、この馬なら何とかしてくれるんじゃないかという素質の高い馬ですから」と、秘める能力に期待を込める。

 競馬との出合いは89年。中学1年生の時に自宅のテレビでたまたま見ていたジャパンCだった。時代は第2次競馬ブームの真っただ中で、オグリキャップがホーリックスと死闘の末、首差2着の名勝負に息をのんだ。そして親に頼んで翌年の日本ダービーに連れて行ってもらい、伝説の「中野コール」に沸いたアイネスフウジンの逃走劇を目に焼き付けた。「初めての競馬場がその日でした。けっこう強烈ですよね」と、今も記憶は色あせない。その33年後、調教師として夢の舞台にたどり着いた。

 同じくダービー初挑戦となる小笹芳央オーナーには、2走前のスプリングS(2着)の時に「適性とか考えるのは先でいいですから、ダービーまでは行きましょう」と、自ら進言していた。「そのために馬主をやっていると言っても過言ではないと思う」というオーナーの思いをくんで、チームは一致団結。お互いに縁のある丸田を鞍上に迎えて、ベストパフォーマンスを誓う。(坂本 達洋)

 ◆奥村 武(おくむら・たけし)1976年7月10日、東京都生まれ。46歳。99年に芝浦工大工学部金属工学科卒業後、ディアレストクラブに就職。02年4月に高橋義厩舎で厩務員としてキャリアをスタート。03年より国枝厩舎で調教助手。13年に調教師試験に合格して、14年3月に開業。JRA通算180勝(重賞4勝)。

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