昨年の凱旋門賞で2着となったヴァデニ(撮影:高橋正和)
昨年の仏ダービー馬で、凱旋門賞でもアルピニスタの2着となったヴァデニ(牡4、Vadeni)が引退し、来春より仏ノルマンディー地方にある生産牧場ハラス・ド・ボンヌヴァルで種牡馬入りすることがわかった。16日、アガカーン・スタッドの公式ページで発表された。
フランスのアガカーン・スタッドでマネージャーを務めるジョルジュ・リモー氏は「彼はフランスだけでなく、アイルランドやイギリスでも最高レベルのパフォーマンスをすることができる素晴らしい体質と気性を見せてくれました」とコメント。
そのうえで「彼(ヴァデニ)は競走馬として必要なすべての要素を有しています。早熟かつスピードがあり、丈夫で堅実です。初の12ハロン戦への挑戦となった凱旋門賞でも2着に好走しました。そのため、私たちはこの馬を引退させ、次のステップに進むことに決めたのです」と、種牡馬としての高い資質にも言及した。
ヴァデニは父Churchill、母Vaderana、母の父はMonsunで、フランスのJC.ルジェ厩舎の管理馬。
21年7月のデビュー戦、続くリステッドレースのエレバージュ賞を連勝すると、翌年のギシュ賞(仏G3)で重賞初制覇。仏ダービー(仏G1)では、G1初挑戦ながら後続に5馬身差をつけるレコードで圧勝した。さらに同年7月にはエクリプスS(英G1)も制し、重賞3連勝。その後も愛チャンピオンS(愛G1)で3着、凱旋門賞(仏G1)で2着と安定した成績を残したが、今年初戦となったガネー賞では(仏G1)4着に終わっていた。通算成績は11戦5勝で、5月にカラ競馬場で行われたタタソールズGC(愛G1)がラストランとなった。