北海道苫小牧市のノーザンホースパークで24日、ノーザン
ファーム
ミックスセール2023が開催された。19年に繁殖牝馬セールとしてスタート。昨年から当歳部門が加わり、国内で唯一、当歳と繁殖牝馬の市場を一日に行うセールとして施行されている。菊花賞を制した
ドゥレッツァの母モアザンセイクリッド(牝14歳、父モアザンレディ)は昨年の取引馬(850万円)。取引後にアイルランドへ渡り、父
ブリックスアンドモルタルの牡馬を産んだ。その後、豪州へ運んで
ダイアトニックとの交配を考えたそうだが、連勝していた
ドゥレッツァの活躍から、アイルランドにいるうちに
フランケルとの交配を判断したと、張月勝オーナーの日本競馬レーシングマネジャー・楊明翰氏から伺った。セール直前に昨年の取引馬の子が菊花賞を制し、20年の取引馬にも函館2歳Sを優勝した
ゼルトザームの母ロザリウムがいるなど、取引馬の子の活躍が目立っている。
今年は当歳馬44頭が完売。売却総額は15億2800万円で、前年比3億6500万円減だった。繁殖牝馬は65頭が上場されて60頭が落札。売却率が92・3%と前年より1・3%増、売却総額は7億4250万円で2億1350万円減だった。当歳の最高価格は「
パシオンルージュの2023」(牡、父
エピファネイア)の8400万円でKYカンパニーが落札。21年紫苑Sの覇者で、秋華賞とヴィクトリアマイル2着などの実績がある
ファインルージュの半弟で、気品ある雰囲気から購買者の目を引いた。繁殖牝馬の最高価格は、
キズナを受胎中の
ミアマンテ(牝6歳、父キングカメハメハ)の6200万円で、小笹芳央氏が落札した。
ミアマンテの母ミスエーニョが米G1ウィナーで、半姉に16年ファンタジーSを制した
ミスエルテがいる名牝系。
ミアマンテ自身もJRA2勝の実績と
キズナを受胎していることから、活発な競り合いが展開された。
ノーザン
ファームの吉田俊介副代表は「まだ始まったばかりの市場で、購買者の方々の
カレンダーに定着していない面はあると思います。当歳部門は、昨年取引された馬が育成に入っていますが、この世代で結果を出すことによって認知していただけるのではと思っています」と振り返った。25日には、ジェイエス繁殖馬セールが北海道市場で開催される。(競馬ライター)