12月24日、佐賀競馬場で重賞「中島記念(3歳以上、ダート1800m)」が行われる。ファン投票と記者選抜によって選ばれし12頭によるビッグレース。有馬記念が終わっても、競馬ファンのクリスマスイブはまだ終わらない。

　注目は安定感抜群のタガノファジョーロ。昨年の4着馬で、今年は中距離を中心としたローテーションで全て4着以内だ。末脚が確実な馬で、重賞2勝。前走・九州大賞典は2500mの長距離戦をキレある末脚で勝ちきり、今回の中島記念はやや距離不足の懸念もあるが、例年ほど抜けた存在がいない今年は、この安定感が魅力だ。

　勢いと成長力を見せるのはブレイブアモーレ。こちらも重賞2勝を挙げる3歳馬で、5月の九州ダービー栄城賞2着以降の成長が目覚ましい。九州大賞典では先のタガノファジョーロと追い比べでクビ差まで食らいついている。

　ネームバリューで群を抜くのはヒストリーメイカーだろう。JRA時代に4度の重賞2着があるなど実績はピカイチ。佐賀移籍初戦は姫路に遠征し、ジンギ相手に重賞・白鷺賞を制覇した。それだけにその後の活躍が期待されたが、以降は重賞タイトルを手にできていない。

　JRA時代のラストレースはのちにドバイワールドCを制覇したウシュバテソーロの2着。それを考えると連戦連勝でもおかしくないだけに、手島勝利調教師は「なぜ佐賀で負けなきゃいけないんだ……」と苦悩する。他場の方が好成績の傾向にはあるが、佐賀で結果を残したい思いはどの陣営よりも強いだろう。

　ファン投票1位はミスカゴシマ。佐賀生え抜きの6歳牝馬で、この夏は九州チャンピオンシップで久しぶりの重賞制覇を果たし、復活をアピールした。平山宏秀調教師は「おそらく今年が最後の中島記念になると思うので、目一杯の仕上げでいこうと思っていて順調です」と並々ならぬ思いを抱く。

　他にも古豪10歳馬ながら中距離重賞で存在感を示すドゥラリュール、九州大賞典3着のマイネルナイペス、小松丈二騎手と好相性の九州ダービー栄城賞馬・イカニカンなどが出走予定。

　クリスマスイブ決戦の中島記念は12月24日佐賀7レース、18時15分発走予定。来年のJBC初開催に向けてますます盛り上がる佐賀競馬は、独自のおもてなし「うまてなしDX」で現地でもネットでも楽しめます。

(大恵陽子)

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