現地時間13日、マカオ・タイパ競馬場で『マカオ国際見習騎手招待競走』が行われ、日本からは高橋悠里騎手(20、岩手・鈴木七郎厩舎)が出場した。
この競走は、アジア競馬会議に所属する国や地域の各競馬団体から推薦された見習いジョッキーたちによって争われるもので、マカオの名物レースとして04年まで毎年実施(03年はSARSの影響で取り止め)されていた。05年はアジア競馬会議の活動の一環としてドバイのナドアルシバ競馬場で同様のレースが行われたが、その後は開催が見送られており、3年ぶりに当地で開催される運びとなった。
久々に開催される今回は大幅にスケールアップ。パキスタンの34歳(しかもデビュー以来15年のベテラン!?)見習いジョッキーの参戦は残念ながら見送られたが、19人の国・地域を代表する17歳〜28歳の見習いジョッキーがマカオに集合。フルゲートが14頭のため3レースが組まれ、抽選で選ばれた2または3つのレースに騎乗して覇を競った(総合ポイント制ではなく表彰は各レース毎)。
当日のタイパ競馬場では、アンダーカードに地元G1競走も組まれており、非常に賑やかな雰囲気。来場者の中から所属予定馬の馬主権利の一部が当たる抽選なども行われ、主催であるマカオジョッキークラブのこの日の開催への意気込みが非常に伝わってきた。メインである国際見習騎手招待競走に出場するジョッキーの紹介セレモニーは、なんとコース脇の一般席エリア。ファンに記念撮影を求められる高橋騎手もこれには目を丸くしていた。
高橋騎手は第2戦の第5レース「招待カップ」(芝1200m)と、第3戦の第6レース「招待ボウル」(芝1500m)に騎乗。結果は以下の通りとなった。
・5R マカオ国際見習騎手招待競走 招待カップ(芝1200m、14頭)
11番枠5番 エンフォーサー Enforcer(セン6) 7番人気4着
・6R マカオ国際見習騎手招待競走 招待ボウル(芝1500m、14頭)
10番枠6番 ミントロイヤル Mint Royal(セン6) 13番人気13着
5レースの騎乗馬エンフォーサーは、昨年当地で短期騎乗した内田利雄騎手、岡部誠騎手、丸野勝虎騎手のいずれもが手綱を取った馬で、何かの縁を感じる巡り合わせで陣営からも大きな期待がかかった。外枠なので無理しない程度に好位につけて、という調教師の指示通りにレースを進めた高橋騎手。直線残り100mくらいから一気に伸びを見せあわやと思わせたが、惜しくも1馬身半ほど及ばずの4着。もう少し早めに仕掛けてもよかったかもしれない、と唇を噛んでいた。
6レースの騎乗馬ミントロイヤルは約2か月ぶりの一戦。戦歴から先行して良いタイプで、調教師からの指示もスタートして最初の100mはビッシリ気合をつけて欲しいというもの。しかし、いざスタートして追いまくってもなかなか行き脚を見せず、後方追走から何もできずに実質最下位(1頭競走中止)の惨敗。調教でも跨っていたのだが、まだ身が入っていない、と語っていたのがレースでも現実となってしまったようだった。
大きな結果は残せなかったものの、各地の若手騎手たちとの交流は高橋騎手にとっても大きな刺激になったよう。志を同じくする者同士、言葉の壁はあってもそのコミュニケーションに心の壁を全く感じさせない様子が実に印象的であった。