昨年、牝馬として102年ぶりにベルモントS(米G1)を制したラグストゥリッチズ Rags to Riches(牝4、米・T.プレッチャー厩舎)が、右前脚の故障のため引退したことがわかった。
ラグストゥリッチズは、父A.P.Indy、母はデムワーゼルS(米G2)勝ち馬Better Than Honour(その父Deputy Minister)という血統の米国産馬。半兄に06年のベルモントSを勝ったジャジル Jazil(父Seeking the Gold)がいる。05年キーンランドセプテンバーイヤリングセールにて190万ドルで落札されていた。
06年6月のデビューから2戦目で初勝利を挙げ、ラスヴァージネスS(米G1)、サンタアニタオークス(米G1)、ケンタッキーオークス(米G1)と3連勝で臨んだベルモントSでは、後の米年度代表馬カーリン Curlinとの一騎打ちをアタマ差制して快勝。牝馬による優勝は1905年のターニャ Tanya以来となる快挙となった。しかし続くガゼルS(米G1・2着)のレース中に右前脚を骨折。その後休養に入っていた。通算成績7戦5勝(重賞4勝)。
今後は米・ケンタッキー州のアシュフォードスタッドにて繁殖入りする予定で、初年度はジャイアンツコーズウェイ Giant's Causewayとの交配が予定されている。
なお、ラグストゥリッチズの半弟にあたるカジノドライヴ(牡3、美浦・藤沢和雄厩舎、父Mineshaft)は、2月23日の新馬戦(京都・ダート1800m)を大差で圧勝。5月10日にベルモントパーク競馬場で行われるピーターパンS(米G2)に出走後、今年のベルモントSに参戦を予定しており、勝てば史上初のベルモントS・3きょうだい制覇となる。