4月末からホッカイドウ競馬で、6月には中央競馬でも新馬戦がスタートする。昨年はサートゥルナーリア産駒が27勝、ナダル産駒がダートで次々に白星を挙げて話題を集めた。新種牡馬の活躍は2歳戦線での見どころのひとつだが、今年デビューを迎える注目の産駒は。クリソベリルは現役時代、新馬から3歳秋のチャンピオンズCまで無傷6連勝。4歳時も帝王賞やJBCクラシックを制すなど、ダートで一時代を築いた。産駒はダート三冠路線での活躍が期待される。
クリソベリルは父ゴールドアリュール、母クリソプレーズ、母の父エルコンドルパサーの血統。全兄クリソライトは国内外でダート重賞6勝、半姉マリアライトは16年宝塚記念覇者で、ほかにも近親に活躍馬がずらりと並ぶ。デビューから3歳秋のチャンピオンズCまで無傷6連勝を飾ったが、着差は「7馬身」「7馬身」「5馬身」「3馬身」「4馬身」「クビ」とほとんどがワンサイドだった。翌年のサウジCで白星はストップしたが、帝王賞を2馬身差、JBCクラシックを2馬身半差で勝利。故障もあり、5歳時は日本テレビ盃の1戦のみ。同レースで現役を退いたが、さすが良血と思わせる走りを数多く見せた。
産駒にはダート三冠路線での活躍を期待したくなる。23年セレクトセール当歳にて4100万円(税抜)で落札された「エスメラルディーナの2023」は、母が関東オークスとトゥクソムC(韓G3)の覇者。また、先週行われた雲取賞を制したジャナドリアの姪にあたる。「イナズマダイモン」は藤田晋オーナーの1億円ホース。半姉Paris Lightsは20年のCCAオークス(米G1)勝ち馬で、半姉アメリカンビキニが2歳にして米国遠征を敢行したように、若くから世界で戦う姿を見てみたい。もう一頭、「セントピュアベース」は母がダート重賞4勝の名牝。サンデーサイレンス3×3など、血統的な魅力も詰まっている。
そのほかにも、母が南関東二冠牝馬という「アクアリーブルの2023」、半兄にエピカリスやメイショウナルトがいる「スターペスミツコの2023」などが初年度にスタンバイ。血統登録されている23年度産駒は全部で112頭いる。その中から父を凌駕するような、ダート王者が出てくることを期待しよう。