15年の皐月賞を制したドゥラメンテ(15年4月撮影、ユーザー提供:ブラックHTTさん)
皐月賞で歴代最多の4勝を挙げるM.デムーロ騎手。いずれも印象深いレースばかりだが、ここではちょうど10年前、テン乗りの
ドゥラメンテで制した一戦を振り返る。
この年の皐月賞は3強ムードだった。1番人気は無傷の3連勝で弥生賞を制した
サトノクラウンで3.1倍。2番人気は共同通信杯覇者の
リアルスティールで3.8倍。3番人気は共同通信杯2着の
ドゥラメンテで4.6倍。ここから差が開き、デビュー3連勝でス
プリングSを制した
キタサンブラックが9.7倍で続いた。
レースは伏兵
クラリティスカイがペースをつくった。前半1000mは59秒2。脚質不問の平均ペースだ。
リアルスティールは好位直後。
サトノクラウンと
ドゥラメンテの堀宣行厩舎2頭は後方で脚をためた。
迎えた4角、後方のインにいた
ドゥラメンテが大きく外に膨れる。
サトノクラウンは大外から追い上げを図るが、距離ロスが大きい。早くも先頭に並びかける勢いの
リアルスティールから2頭までは約5馬身の差がある。これはセーフティーリードか。そう思ったのも束の間、物凄い瞬発力を発揮したのは
ドゥラメンテだった。一気に加速すると
リアルスティールを並ぶ間もなくかわして先頭へ。ゴール前では早くもデムーロ騎手が左手で
ガッツポーズ。終わってみれば1馬身半の着差以上の完勝だった。
デムーロ騎手は03年のネオユニヴァース、04年のダイワメジャー、13年の
ロゴタイプに続く皐月賞4勝目。武豊騎手などの3勝を上回り、誰もが認める「皐月賞男」となった瞬間だった。