国枝栄調教師(69)＝美浦＝は4月13日、福島7R(4歳上1勝クラス、芝2000メートル＝16頭立て)で管理するバードウォッチャー(牡4歳、父ブラックタイド)が1着となり、史上10人目となるJRA通算1100勝を達成した。来年3月に定年での引退を控える指揮官にとって、またひとつ大きな節目の白星となった。

　数々の白星を重ねてきた名伯楽の趣味のひとつにボウリングがある。節目の勝利に王手をかけていた大阪杯ウィークには厩舎スタッフとボウリング大会を開き、技巧派の腕がさえ渡って2ゲームで計300台中盤のスコアをマーク。見事に優勝を飾っていた。

　あいさつでは「1100勝できるように頑張ります！」と盛り上げた一方で、優勝賞品の高級和牛は辞退して、じゃんけんで勝った参加者にプレゼントする優しい一面を見せたという。節目の白星を達成して国枝師が「厩舎はまだ残り1年ほどあるので、みんなで力を合わせて頑張っていきたいと思います」とコメントしたように、指揮官の人柄や雰囲気作りが“金字塔”の陰にあった。