◆皐月賞追い切り(16日・栗東トレセン)
第85回皐月賞・G1(20日、中山)の追い切りが16日、東西トレセンで行われた。3連勝を飾ったホープフルS以来となる
クロワデュノールは栗東・CWコースで併せ馬。全く不安のない仕上がりに、斉藤崇史調教師(42)=栗東=は「日本の競馬界を引っ張っていくような馬に」とスケールの大きさを表現した。
一点の曇りもない。無敗の2歳王者が、盤石の仕上がりをアピールした。
クロワデュノールの最終追い切りは、栗東・CWコースで
ヤマニンシュラ(3歳1勝クラス)との併せ馬。最後まで北村友に派手なアクションはなかったが、バネの利いた弾むような走りで6ハロン84秒6―11秒3。「ある程度の前向きさを保ちながら、集中力を切らさない。イメージ通りに終えられて、順調に来られたかなと思います」と鞍上も納得の仕上げにほほえんだ。
右肩上がりに状態を上げてきた。2日の2週前追い切りでは、併せ馬で僚馬に1馬身半ほど後れを取ったが、9日の1週前はラスト1ハロン10秒9で半馬身先着。本来の切れ味を取り戻した。「思っていた以上の変化だった。すごくいい追い切りができた」と北村友が振り返った好調教。「(6日に団野)大成を乗せて、少ししまいを動かしたあたりからやる気モードに入ってきた」と斉藤崇調教師。デビューから手綱を執る北村友が乗らない週末は、厩舎所属の団野が調教に騎乗。「やりたいことは全部できた。あとは馬と北村さんを信じたい」と指揮官。これまで“チーム一丸”で仕上げてきた。あとは信じて送り出すだけだ。
馬体重24キロ増と仕上がり途上だった東京スポーツ杯2歳S。初の右回りだったホープフルSと、課題をクリアしつつ無傷の3連勝。のちの皐月賞
トライアル3戦すべての勝ち馬を下しており、その視界を遮るものは何もない。
鞍上は「欠点という欠点が見つからない。総合力が高い。すごく頼りになる相棒」と絶対の信頼を置く。意気込みを問われると、「負けたくない。負けたくないですね」と繰り返し、「それ以上の言葉はないかな」と決意を示した。トレーナーも「うちの厩舎だけじゃなくて、日本の競馬を引っ張っていくような馬になってほしい」と、果てしなく広がる可能性に夢をはせた。皐月賞を通過点に日本ダービー、そして―。
クロワデュノールが描く壮大なストーリーの幕が今週末に開く。(戸田 和彦)