95年の京王杯SCを制したドゥマーニ(撮影:高橋正和)
近年は日本馬のみのレースとなっている京王杯スプリングカップだが、かつては毎年のように外国馬が出走していた。ここでは国際競走となって2年目の95年、4頭のカク外が参戦し、17番人気のドゥマーニが勝利した一戦を振り返る。
この年の京王杯SCには4頭の外国馬がエントリーしていた。武豊騎手が騎乗し、続く安田記念を制するハートレイクが4番人気。これにエリンバードが7番人気、エンペラージョーンズが8番人気で続いた。一方、蚊帳の外だったのが米国のドゥマーニである。年明けからドバイで3戦して2着、2着、1着と好成績を残していたものの、それぞれ4頭立て、4頭立て、2頭立て。レースレベルも低かったようで、単勝56.9倍の17番人気も妥当な評価と思えた。
しかし、レースはやってみるまで分からない。R.ヒルズ騎手に導かれたドゥマーニはスッと好位を確保。直線で抜け出すと、追ってきたビコーアルファーをクビ差抑えてゴール。異国の地で挙げた通算4勝目が重賞初制覇となったのだ。
実はドゥマーニはかなりの良血馬だった。母のデザイラブル(Desirable)は83年の英G1・チヴァリーパークS、半姉のシャダイード(Shadayid)は90年の仏G1・マルセルブサック賞と91年の英G1・英1000ギニーの勝ち馬。さらに近親には98年の英G1・ロッキンジSを制し、種牡馬としても大成功したケープクロス(Cape Cross)の名前まであったのだ。これで更なる大活躍…となれば、日本で種牡馬となる道もあったかもしれないが、続く安田記念では14着に大敗。その後、米国でG3を1勝したものの、G1には手が届かず。翌年の米G1・BCマイルで12着に敗れたのを最後に、ターフを去っている。