「東京プリンセス賞・S1」(30日、大井)
ハイペースで人気馬が総崩れ。4番人気の
ベルグラシアスが直線で鮮やかに抜け出し、重賞初制覇で3歳女王の座を射止めた。13番人気の
グレアネオンライトが2着に入り、上位2頭には「第61回関東オークス・Jpn2」(6月18日・川崎)への優先出走権が与えられた。3着も9番人気の
ドナギニーが突っ込み、3連単は160万円超馬券と荒れた。桜花賞に続く2冠を狙った1番人気の
プラウドフレールは、伸びを欠いて5着に敗れた。
前々走で
ナイトオブファイア(29日の羽田盃・Jpn1で2着)の2着はダテではなかった。上昇気流に乗る
ベルグラシアスが桜花賞組をあっけなく粉砕した。
リヴェルベロに
ホーリーグレイルが絡んで序盤から速い流れ。向正面に入るとすぐにホーリーが飛び出し先頭へ。3角過ぎでは7、8馬身のセーフティーリードを取り、このまま押し切るかに見えたが、波乱のドラマは最後の直線に待っていた。「自分の競馬をして、展開が向いてくれればチャンスがあると思っていた」。町田直は
ニンマリしながら後方4番手。3角過ぎで外めから一気に上がって行くと、エンジンは全開となった。
直線ラスト200メートル過ぎで粘るホーリーを並ぶ間もなくかわすと、鞍上の右ステッキにも反応して一気にゴールを駆け抜けた。今年2個目の重賞Vを決めた鞍上は「今回の強いメンバー相手にこれだけの走りができたので、馬にありがとうと言いたいですね」と笑顔がはじけた。
2年ぶりの重賞Vとなった市村誠師も驚きを隠せない。「最高の気持ちだね。(状態が)変わらずに来てくれたのが一番。イレ込んでいたのは関係者だけだよ」と笑った。今後は関東オークスか、のじぎく賞(5月22日・園田)を視野に入れる。重賞初挑戦で大仕事をやってのけた新たな
ヒロインの今後に注目だ。