「ＮＨＫマイルＣ・Ｇ１」（１１日、東京）

　２歳マイル王が再び輝く。朝日杯ＦＳ覇者アドマイヤズームが３歳でも世代トップを狙う。

　今春の始動戦はニュージーランドＴ。関西圏にチャーチルダウンズＣがあるにもかかわらず、遠征競馬を選択した。友道師は「長距離輸送を経験させたかった」と説明。結果は勝ち馬イミグラントソングの強襲に屈する形での２着だったが、「（輸送の）道中も着いてからも落ち着きがありましたし、うまくいきました。確認ができて良かったです。前哨戦として悪くない競馬でした」と収穫ありの一戦だった。

　早くからここに照準を合わせ、前回も本番から逆算した調整を重ねていた。「前走時は追い切りにジョッキーを乗せずに助手だけで。今回は１週前にジョッキーを乗せてスイッチを入れましたし、いい感じでＧ１にいけます」と指揮官は手応えを感じている。

　その１週前は荻野極（レースは川田）を背に栗東ＣＷで６Ｆ８０秒５-３６秒２-１０秒７の好ラップを刻み、併せたレッドイステル（３歳１勝クラス）を２馬身ちぎった。師は「馬場入りも落ち着いていたし、道中も折り合っていた。追ってからの反応も良く、いい１週前追いでした」と言うことなしの調整過程に笑みを浮かべた。

　ニュージーランドＴは敗れたとはいえ、暮れに負かしたミュージアムマイルが皐月賞を制覇。ここでの中心は揺るがない。狙い定めた３歳マイル王の座を射止めてみせる。