「NHKマイルC・G1」(11日、東京)
杉山佳厩舎といえば、22年のNHKマイルCを思い起こすファンも多いだろう。18番人気の
カワキタレブリーが3着に激走。0秒1差の接戦を振り返り、師は「あの時は根拠のない自信があったんですよね」と笑う。
今年は
ミニトランザットを送り出す。マイルの新馬戦を制した後は二千、千八と使って3、8着。「血統的にマイルの方がいいと思っていたので早めに見切って、クラシックの
トライアルには行かなかった」。マイルに戻した前走の
チャーチルダウンズCは後方で折り合いに徹し、上がり最速で3着と改めて距離適性を示した。
昨年のこのレースに出走した全姉
イフェイオンは5着と奮起。「競馬前に
テンションが上がるのはこの血統の良さ。
ミニトランザットは
イフェイオンほど引っ掛からない」と共通点や違いを説明する。きょうだいによる2年連続の出走がかない、「前走もそんなには負けていない。自分の競馬をしてひと脚伸ばせれば」とVをイメージする。
輸送前日の金曜はゲートの最終確認を行った。「肌ツヤも悪くないし、状態はいいと思います」と出来の良さに触れ、7枠13番には「リズム重視なので8枠が良かったけど、7枠ならグッド。ゲートを出たら(ハミを)触らず、直線400メートルの勝負を。少し流れてくれたらありがたい。左回りも合うと思っています」と分析した。
開業5年目で3回の出走と不思議な縁を感じるG1。「調教師としてG1を勝ちやすいのはNHKマイルCか2歳GIと言っているので。紛れるレース。チャンスがあるのはこういうG1だと思って使っていますから」と指揮官。G1初制覇へ、過去2回(3、5着)からの逆襲を狙う。