オークス2025に出走予定のエンブロイダリー(今年4月撮影、ユーザー提供:Daigoさん)
桜花賞馬のエンブロイダリー(牝3、美浦・森一誠厩舎)が、オークス(3歳牝・GI・芝2400m)で史上18頭目の二冠牝馬を目指す。
エンブロイダリーは父アドマイヤマーズ、母ロッテンマイヤー、母の父クロフネの血統。父は18年の朝日杯FS、19年のNHKマイルC、香港マイルの勝ち馬。現3歳の初年度産駒が好調で、種牡馬としての評価が上がっている。一方の母系も優秀で、母は16年の忘れな草賞の勝ち馬。曾祖母のビワハイジは95年の阪神3歳牝馬Sの覇者。近親には09年の桜花賞とオークスなどGI・6勝を挙げたブエナビスタ、11年の阪神JFを制したジョワドヴィーヴルなど、活躍馬がズラリと並ぶ。
ここまで6戦4勝。昨秋の東京で1勝クラスを卒業すると、年が明けて重賞初挑戦となったクイーンCも快勝した。その後は桜花賞へ直行。中団追走から直線で馬群を捌きながら伸びると、外から迫るアルマヴェローチェを振り切り、GI初制覇を果たした。以前はスタートや折り合いに課題があったが、ともにレースを重ねて改善。マイル前後なら崩れるシーンは考えづらい。ただ、今回は800mの距離延長で2400m。血統や体型を考えると、絶対にこなせるとは言いづらいところだ。
23年のリバティアイランド以来、史上18頭目の牝馬二冠がかかる一戦。桜花賞で騎乗したモレイラ騎手は乗れないものの、それ以前に4戦連続でコンビを組んでいたルメール騎手の手綱なら不安はない。祖母の半姉であるブエナビスタの戴冠から16年。エンブロイダリーが距離延長を克服し、一族2頭目の偉業達成となることを期待したい。