安田記念で2着に健闘したガイアフォース(ユーザー提供:淳。さん)
宝塚記念も終え、JRAのビッグレースもひと段落。そんな上半期のGI戦線では、吉村誠之助騎手の活躍が目立った。
同騎手は昨年デビューの2年目。父は兵庫県競馬、地方競馬のトップジョッキーとして知られる吉村智洋騎手とあって、ルーキーイヤーから注目された。期待に応え、初年度は中央で33勝を挙げ、園田を中心に地方19勝の活躍。最優秀新人騎手賞はJRA48勝の高杉吏麒騎手に譲ったものの、年間を通じて騎乗停止が無かったことも評価され、中央競馬関西放送記者クラブ賞(関西所属騎手新人特別賞)に選ばれた。
そんな新進気鋭の若武者は2年目を迎えて飛躍している。昨年暮れに初タッグを組み、朝日杯FSでも3着に入ったランスオブカオスとは、きさらぎ賞3着を挟み、チャーチルダウンズCで人馬ともに重賞初制覇。続くNHKマイルCでは、よもやのハイペースに巻き込まれ5着だったが、先行馬総崩れの中でも見どころはつくった。また、NHKマイルCの前週に行われたユニコーンSでは、カナルビーグルの手綱を執り、自身2つ目のタイトルを獲得。芝に、ダートに、3歳路線で存在感を示した。
先日の安田記念でもファンをアッと言わせる走りを見せた。昨年のフェブラリーSで2着に入るなど、マイル路線で活躍するガイアフォースの鞍上に抜擢されると、レースでは落ち着いたエスコートで中団から鋭く追い込み、9番人気ながら2着に大健闘。カナルビーグルと挑んだ東京ダービーを含め、これまでGI/JpnIには4度騎乗して3着、5着、2着、5着とすべて掲示板に載った。すぐにでもビッグタイトルに手が届きそうな気配がある。
さきたま杯、帝王賞に騎乗がなければ、次なるGI/JpnI獲りのチャンスは秋競馬になるか。地方通算3600勝以上を挙げる父の背中に追いつき、追い越すべく、2年目の吉村誠之助騎手は夏以降も競馬界を沸かせてくれることだろう。