東京ジャンプSに出走予定のジューンベロシティ(撮影:下野雄規)
上半期の東京競馬を締めくくる障害重賞競走。3110mコースは2角のポケットからスタートして向正面に備えられている3連続障害を2回越え、そしてホームストレッチでは高さ1.5mの大いけ垣と大竹柵を含む4連続障害が待ち受ける難コース。しかし、最大のポイントは、延べ13の障害よりも、最終障害を飛び終えたあとの400m弱の長い直線芝コース。平地の脚力も問われるレースでもある。
◎ジューンベロシティは2023、24年の当レース優勝馬。昨年は終始カラ馬に絡まれる苦しい展開を余儀なくされながらもしのぎ切った。4歳秋に平地2勝クラスからハードル界に転向し、2戦目に障害初勝利。直後のオープンを勝ったことでジャンパーとしての高いセンスを認められていたが、どちらかといえばスピードが武器。中山競馬場の障害コースが[0-1-0-4]に対して、東京競馬場は[3-0-0-1]と得意としている。猛暑の中で行われた前走の中山グランドジャンプは厳しいマークにあいながらも4着と健闘し、力を付けていることを示した1戦だった。
〇サイードは小倉ジャンプS2着。2歳7月の新馬戦優勝後、翌年春には1勝クラスで3連続2着。クラス脱出が時間の問題と思われたが、翌年春からハードル界に転向し、経験馬相手にいきなり2着とセンスの良さをアピールし、3戦目の障害初勝利のあとオープンを快勝している。さすがにオープン級では楽な競馬をさせてもらえなかったが、使われながら力を付け昨年秋は秋陽ジャンプS2着のち、牛若丸ジャンプSを楽勝し、今やハードル界の頂点を狙える存在になった。
▲ロスコフは昨年の東京ジャンプS2着馬で、小倉サマージャンプ優勝馬。平地3勝クラスから5歳秋のハードル転向だったが、その初戦で経験馬相手に完璧な勝利を収め、続く秋陽ジャンプSはレコード決着の同タイム2着。ペガサスジャンプSも最終障害でつまずくまでは勝ち負けできそうな手応えだった。障害馬として類まれな素質を感じさせる成績だが、ここは約10か月の休み明け。少々割り引いた。
△ホッコーメヴィウスは障害重賞4勝馬で、東京ジャンプSも過去2着2回。これを含めて、東京競馬場の障害コースも[0-5-0-2]と得意としている。実績はナンバーワンと言っても過言ではなく、昨年の新潟ジャンプSは使ったが、今回は左前肢の挫創による出走取消から約10か月の休み明けでどうだろう。
前走でオープン級を快勝した△ブリエヴェールと、障害転向2戦目で未勝利戦を圧勝した△フォージドブリックも抑えたい。