昨年までサマーマイルシリーズの第1戦として行われていた米子Sを前身とするレースで阪神競馬場外回り芝1600mを舞台とする別定重量戦だ。阪神競馬場の芝1600mコースは向正面からスタートするワンターンコースでゴール前には急坂が待ち構える。ごまかしの利かないコース形態ではあるが、極端なハイペースにはなりにくく瞬発力が問われるケースが多い。

　◎シヴァースは芝1600m戦は[3-0-1-1]。前進気勢が強い馬だけに、時折不安定なところを見せるがが、これまで9戦のキャリアの中で大きく崩れたのはゴール前で大きな不利を受けたアーリントンCと、途中から力んでしまった前々走のアメジストSのみ。新馬戦では11.8秒、11.6秒、11.1秒の加速ラップを後方から差し切っており、早くから高い能力を示していた。前走のような競馬が出来れば、初タイトルが見えてくる。

　〇キープカルムはダービー卿CT3着。デビューした頃は比較的長い距離を使われたが、3歳夏以降はマイル戦に矛先を向けて特別競走を2連勝。前走は、やや立ち遅れて後方からのレースとなり、やむなくインコースで脚を溜めたが、なかなか前が開かずに不完全燃焼のようなレースとなってしまった。どちらかと言えば広いコースの方が競馬がしやすそうなイメージもある。試金石の1戦だ。

　▲チェルヴィニアは昨年の最優秀3歳牝馬。アルテミスSに勝って挑んだ桜花賞は案外だったが、力強い末脚を武器にオークス、秋華賞の二冠を勝ち、ジャパンCは0.4秒差4着と健闘した。4歳となった今年は飛躍が期待されたが京都記念は大敗。遠征したドバイシーマクラシックも案外だった。今回は海外帰りの帰国初戦で、久しぶりのマイル戦。決して楽な条件ではないが、底力に期待したい。

　△レーベンスティールはエプソムCなど中距離重賞を3勝。その実績は、このメンバーの入ればチェルヴィニアとともに上位の存在だが、今回は初のマイル戦。今回は休み明けでもあり、やや評価を下げた。

　△デビットバローズは今年2月の洛陽S2着馬。このレースは去勢手術明けの1戦だったが二の脚利かせて好位をキープすると、最後は力強く脚を伸ばしてマイル適性を示している。マイル戦で堅実な△ニホンピロキーフと決め手に磨きがかかってきた印象の△ダイシンヤマトのレースぶりにも注目したい。