函館記念に出走予定のキミノナハマリア(撮影:山中博喜)
夏の函館開催を彩る名物ハンデ重賞、函館記念。小回りで直線が短いコース形態に加え、ハンデ戦ということもあり、毎年のように波乱の決着が繰り広げられる難解な一戦だ。今年も実績馬から上がり馬まで多彩なメンバー構成となり、どの馬にもチャンスがありそうな大混戦ムードが漂っている。
1.格の違いを見せつける前走重賞組
過去のデータを集計すると、前走で重賞を使われた馬は[7-6-7-56]と、馬券圏内に入った30頭中20頭を占めている。複勝率は26.3%と優秀で、厳しい戦いを経てきた実力はここでも信頼できる。さらに、単勝回収率が175%、複勝回収率が162%と、いずれも100%を大きく超えており、馬券的な妙味も十分だ。格の高いレースで戦ってきた経験が、この難解なハンデ戦を乗り切る上で大きなアドバンテージとなる。
2.4歳馬の勢いがレースの鍵を握る
馬齢別の成績を見ると、4歳馬が[3-2-2-20]で複勝率25.9%と、他の世代をリードしている。特に注目すべきは単勝回収率で、328%という驚異的な数字を叩き出している。これは、勢いに乗る4歳馬が人気薄でも勝ち切るケースが多いことを示唆しており、馬券的な破壊力は十分だ。完成期を迎えた古馬との力関係が鍵となるが、若い活力があふれる4歳世代の台頭には今年も警戒が必要不可欠だ。
3.前走で中団から差した馬に妙味あり
前走の4コーナー通過順位では、5番手から9番手でレースを進めた馬が[4-5-4-41]と好成績を収めている。このグループの複勝率は24.1%と高く、単勝回収率176%、複勝回収率152%はともに素晴らしい数値を記録している。極端な逃げや追い込みではなく、4角で前を射程圏に入れて脚を伸ばせる馬に注目したい。
キミノナハマリアは、函館コースで[2-0-0-0]とパーフェクトな実績を誇る舞台巧者。前走はGIIの阪神牝馬Sで11着と大敗したが、「前走重賞組」という好走条件に合致。加えて、その時の4コーナー通過順が9番手であり、これはまさに妙味ある「5番手〜9番手」のデータに合致する。得意の洋芝、距離延長で一変が期待でき、中心視する価値は十分にある。