25日(水)、不良馬場の浦和競馬場で行われたダート
グレード競走の第29回さきたま杯(JpnI・1400m 出走12頭)は、1番人気に支持された
シャマル(川須栄彦騎手騎乗)が先手を奪ってそのまま逃げ切り、前走かしわ記念に続いてJpnI競走連勝を飾った。勝ちタイム1分23秒2はレコードタイム。
5馬身離れた2着に7番人気の
ムエックス(船橋)が粘り、さらにアタマ差の3着に追い込んだ3番人気
エンペラーワケア(JRA)が続いた。4着に
ティントレット(大井)、5着に
タガノビューティー(JRA)が入り、スタートで大きく後手を踏んだ2番人気の
コスタノヴァ(JRA)は11着だった。
勝った
シャマルは父
スマートファルコン、母ネイティヴコード(その父アグネスデジタル)という血統の7歳牡馬で、JRA栗東・松下武士調教師の管理馬。通算成績は28戦13勝、JpnIは昨年と今年のかしわ記念に続いて3勝目。さきたま杯は4年連続4度目の挑戦で待望の初制覇となった。
<レース後の関係者コメント>
1着
シャマル(川須栄彦騎手)
「今日は個人的には絶対に負けられない戦いだと思っていたので、僕も
シャマルのことを信じていましたし、たくさんの支持をいただいていたことも感じていたので、1着でゴール板を駆け抜けた瞬間は本当に最高でした。このような馬場で、時計も凄く速い決着が続いていましたし、2番枠ということでそこ(スタート)だけは注意していましたが、本当に良いスタートを切ってくれて、最初のコーナーまでに主張することが出来たので、良かったと思います。行き切った後も結構なペースでしたが、行き切ってからはとにかく
シャマルと息を合わせることだけに集中して、スパートのタイミングをうかがっていました。
(ゴールした瞬間は)後続馬の足音も聞こえなかったですし、本当にゴールの瞬間は感情が爆発しました。毎回一生懸命走ってくれますし、どんな条件のなかでもいつもベストを尽くして走ってくれるところが、一番の強さというか魅力だと思います。本当に素晴らしい走りでした。春の大目標だったかしわ記念、さきたま杯と大きいレースを連勝して、本当にダート界の主役の1頭だと思います。
応援していただいた皆様本当にありがとうございました。皆様の応援のおかげで、今日は勝つことが出来ました。まだまだ
シャマルは今後も頑張ってくれると思うので、応援よろしくお願いします」
(松下武士調教師)
「さきたま杯は4回目の挑戦だったので、勝てて凄く嬉しいです。前走のかしわ記念の時も良い状態でしたが、今日はその状態をキープ出来ていたかなと思います。馬場が悪くなるのは良いかなと思っていました。レースについての作戦は特にありませんでした。今日は行き切ってくれたことが勝因かなと思います。大きなリードを取って逃げ切ってくれた時は本当に嬉しかったです。
この馬はスタートが良く、良い位置で器用に競馬をしてくれます。春はここまでと思っていたので、いったん放牧に出して、後はオーナーと相談して秋以降のレースを決めようと思います。今日は強い
シャマルを見せることが出来て良かったと思います。応援ありがとうございました」
(取材:小林雅巳)
2着
ムエックス(張田昂騎手)
「馬場を気にしていましたが、よく頑張りました。ずっと状態は良く、具合が良ければこれぐらいはやれていいです。距離適性を再確認しました」
3着
エンペラーワケア(川田将雅騎手)
「この馬場では、この馬の良さが出ません。無事が何よりでした」
4着
ティントレット(矢野貴之騎手)
「ハナに行っても良かったかもしれませんが、枠が枠でしたからね。3コーナーの手応えは悪くなかったですし、リズムは取り戻してきた感じです」
5着
タガノビューティー(石橋脩騎手)
「スタートからいい感じでした。内を回って上手に対応しましたし、力は出し切れました」
7着
チカッパ(武豊騎手)
「状態は良さそうでしたが、終始外に張り気味で力んでいました。右回りの1200mがベストです」
11着
コスタノヴァ(クリストフ・ルメール騎手)
「スタートが決まりませんでした。小回りは合わないですね」
(2着以降の関係者コメントは埼玉県浦和競馬組合のリリースによる)