先週開幕した福島で2勝を挙げたルーキーの遠藤汰月騎手(19)=美浦・伊藤伸厩舎=は、愛着のある故郷で幸先良く夏競馬のスタートを切った。地元のファンから受けた温かい声援に感謝をしつつ、「(29日の6、12Rでの2勝は)どちらも馬が強かっただけで、僕としては全くいい騎乗ではなかったので反省ばかりです。うれしさより、ホッとした気持ちが大きかったです」と浮かれるそぶりは全くない。
4月20日の福島8R(
パープルナイト)で初勝利を挙げて以降、なかなか2勝目が遠かった。技術や体力、考え方など様々な面で課題を自覚したなかで、「ちょっとずつですが、変えてこられていると思います。課題を持って乗って、1つでも上の着順に持ってこられるように」と、何より意識が高まったという。
明るい笑顔と謙虚な向上心が魅力のルーキーは、確かな次の目標を胸に秘める。それは自厩舎の管理馬での勝利で、「いつも優しく接してくださって、伊藤伸一先生がいなかったら今の僕はいなかったと思う。勝つことが一番の恩返し」と力を込める。飛躍の夏へ、心も熱い。(坂本 達洋)
◆遠藤 汰月(えんどう・たつき)2006年2月14日、福島県生まれ。19歳。小学5年の時に父親の勧めで福島競馬場の乗馬スポーツ少年団で乗馬を始めて、現地で観戦した17年の七夕賞(
ゼーヴィント)をきっかけに騎手を目指す。25年3月、美浦・伊藤伸厩舎からデビュー。JRA通算111戦3勝。163・9センチ、48・0キロ。血液型B。趣味はスポーツ観戦。