凱旋門賞を制して種牡馬入りしたエースインパクト(撮影:高橋正和)
7月14日(月)、15日(火)に北海道・苫小牧市のノーザンホースパークで行われる「セレクトセール2025」。毎年多くの活躍馬を送り出す日本最大級の競走馬セールには、
コントレイル産駒や
イクイノックス産駒など良血馬が勢ぞろいするが、中には全体で1頭しか上場がない“レア産駒”も存在する。
初日の1歳
セッションには
ジャンダルム産駒の「
ハーバーコメットの2024」が登場する。父はホープフルS2着などの実績を残したのち、古馬になると短距離路線にシフト。22年のオーシャンSを勝利すると、同年秋のスプリンターズSでGI初制覇を飾った。23年より
アロースタッドで種牡馬入りしたが、併用3シーズン目を前にした今年2月に急死しており、残された産駒数は多くない。母は地方4勝を挙げており、叔母の
コスタボニータが昨年の福島牝馬Sを制している。
2日目の当歳部門では、23年に無傷6連勝で凱旋門賞を制した
Ace Impact(
エースインパクト)の仔が本邦セール初登場。そんな「
ジャストルッキングの2025」は、母も英国産馬で欧州色濃い血統だが、父は仏ダービーをレコード勝ち、凱旋門賞では上がり最速タイの33.06を記録した。
スピード、瞬発力に溢れており、日本の芝にも
フィットしそうだ。
将来、ダートでの走りが期待できそうな2頭もピックアップする。「
ジンジャの2025」の父
Cody's Wishは、生涯で米G1・5勝を挙げ、23年には米年度代表馬、最優秀古牡馬に選出された。母系も優秀で、いとこには昨年の日本ダービー、今年のドバイSC(首G1)を勝った
ダノンデサイルがいる。最後にもう1頭、
ダンシングプリンス産駒の「
エヴァジョーネの2025」を挙げておく。父は22年のJBCスプリントをはじめ、ダート1150m、1200mで計11勝の快足。産駒が活躍を見せ、砂短距離路線のリーディングサイアー争いに割って入るだろうか。
セレクトセールでは高額馬や良血馬に視線が集まりがちだが、珍しい血統背景を持つ“レア産駒”のゆくえにも注目してほしい。