クイーンSに出走予定のフェアエールング(撮影:山中博喜)
秋のGI戦線を目標とする牝馬にとって重要な
ステップレース。紫苑Sが重賞となる前は3歳馬の健闘が目立つレースだったが、近年では出走頭数が減ってしまった。それでも斤量に恵まれた実力馬が出走してきた場合は無視できない。札幌競馬場芝1800mコースはスタンド前から発走してコーナーを4回まわる。札幌で行われた過去10回で上がり最速馬は[1-4-2-4]。基本的には逃げ、先行馬が有利にレースを運べる舞台設定だが、ペース次第では差し馬の台頭も考えておきたい。
◎
フェアエールングは小倉牝馬S優勝馬。このレースは前後半の半マイルが45.7秒〜48.6秒というハイペースの中、中団でじっと我慢して先に抜け出した人気馬を目標に力強い伸びを見せた。福島、小倉のツーターン重賞で3連続好走しているように小回り競馬を得意とし、札幌コースは[3-1-0-1]と得意にしている。強力先行馬が多い組み合わせになって、この馬の持ち味である息の長い末脚は大きな武器になりそうだ。
〇
アルジーヌは昨年の3着馬。当時は昇級初戦だったが、暮れにターコイズSに勝ち、この春はヴィクトリアマイルで勝ち馬と同タイム4着。いまだ掲示板を外したことがない堅実な馬だが、条件馬時代よりも道中の位置取りを下げたことでハイペースの競馬にも対応した。今回のメンバーに入れば、その実績はむしろ上位。札幌・函館の芝コースは[1-1-1-0]と苦手意識はなく、ここは昨年の雪辱を果たすチャンスだ。
▲
レーゼドラマはフラワーC優勝馬。このレースは前後半の半マイルが47.8秒〜47.7秒という平均ペースだったが、2番手追走から3角で逃げ馬に並びかけて、そのまま後続を突き放した。瞬発力にはやや欠けるものの長く良い脚を使える長所を最大限に引き出したレースとなった。洋芝経験はないものの高い適性を感じさせるキャリアで、持ち味を最大限に発揮できれば、勝機も膨らむ。
△
クリスマスパレードは紫苑Sをレコード勝ちで、中山牝馬Sは勝ち馬と0.1秒差3着。持ち前の先行力を武器にレースの主導権を握り、あとは長く良い脚を使ってゴールに向かう。出遅れて、自分の競馬が出来なかったヴィクトリアマイルは参考外。ワンターンコースよりもコーナー4つの競馬に向く印象だ。極端なペースに巻き込まれなければ怖い。
堅実な△
ビヨンドザヴァレーも流れひとつで上位を争う存在になれそうだが、ここが昇級戦となる△
ココナッツブラウン、△
パレハの末脚も無視できない。