99年の秋華賞はブゼンキャンドルが制した(99年10月撮影、ユーザー提供:aaaaaaaaaaさん)
今年で30回目を迎える秋華賞。馬連の高配当ランキングを見ると、1位が99年、2位が00年となっている。今回は世紀末に続いた波乱のレースを振り返りたい。
まずは99年だ。この年は
トゥザヴィクトリー、
フサイチエアデール、
ヒシピナクルの3頭が人気の中心だったが、結果的に揃って連を外すこととなる。その最大の要因は前半1000mが58秒4のハイペース。番手追走の
トゥザヴィクトリーを目掛けて、勝負所で
ヒシピナクルや
フサイチエアデール、
エアザイオンや
レッドチリペッパーが押し上げたものの、結果的に早仕掛けだった。ゴール前、粘り込みを図る人気馬が失速。かわって浮上したのが後方待機組の2頭だ。安田康彦騎手が手綱をとった12番人気の
ブゼンキャンドルが、大外から強襲した10番人気の
クロックワークをクビ差抑え、人馬揃ってのGI初制覇。900万下からの格上挑戦だった伏兵が、馬連9万4630円の高配当を呼んだのだった。
続く00年も意外な結末となった。前年とは一転、前半1000mが60秒8のスローペース。この恩恵を受けたのが内枠と先行馬だった。後方待機組の人気馬が伸びあぐねる中、軽快に逃げた
ヤマカツスズランが押し切りを図る。これに襲い掛かったのが4番枠からロスなく運んだ
ティコティコタックだ。ともに21歳の武幸四郎騎手と池添謙一騎手、若手2人の攻防は半馬身差、
ティコティコタックと武幸四郎騎手に軍配が上がった。この年も人馬ともに初のGIタイトル獲得。10番人気→7番人気で馬連は3万10円の万馬券となり、秋華賞は2年続けて驚きの決着となったのだった。