外からライバルを抜き去ったビヨンドザヴァレー(右)=撮影・園田高夫
「レディスプレリュード・Jpn2」(7日、大井)
外から力強く伸びた5番人気の
ビヨンドザヴァレーが、ダート初挑戦で初めてのタイトル奪取に成功。「第15回JBCレディスクラシック・Jpn1」(11月3日・船橋)への優先出走権もゲットした。首差2着に単勝1・8倍の支持を集めた
テンカジョウ。さらに首差3着には
バスタードサフランが入り、上位をJRA勢が占めた。
新たな“芝・ダート二刀流”の誕生だ。キャリア20戦目にして、この日がダート初参戦の
ビヨンドザヴァレーが、芝並みの切れ味で差し切った。
スタートで断然人気の
テンカジョウが大きく出遅れた。先行馬を見ながら好位の4、5番手。直線を向いて抜け出した
バスタードサフランに
フェブランシェが並びかけて先頭へ。その内に潜り込んだのが挽回してきた
テンカジョウ。3頭による激しいたたき合いを、唯一、外から涼しい顔で真っ先にゴール板を駆け抜けた。4着までが首+首+3/4差の接戦を制した。
昨年の秋からコンビを結成して連続7戦目の騎乗となった菱田は「ダートスタートも初めてだったので、そこは気をつけていました。砂をかぶってもひるむことがなかったし、いい走りをしてくれましたね」と相棒の頑張りをたたえた。
自身にとっては23日のテレ玉杯オーバルスプリント(
サンライズフレイム)に続く交流重賞4勝目。大井では2度目の騎乗で待望の初勝利。大きな仕事を成し遂げた。「馬がちょうど充実期で、乗るごとに時間がたつごとに調教でもレースぶりでも良くなっています。勝利だけが遠かったので乗せていただいて感謝しています」。久々のコンビ2勝目を喜んだ。
管理する橋口師は
レーヌブランシュ、
アーテルアストレアで21、23年Vに続く史上最多の3勝目。「ダートの適性は半信半疑でしたが、いいレースをしてくれてうれしいです」と笑顔。まさにこのレースの勝ち方を知っている。次は状態次第でJBCレディスクラシックへ。そのレーヌが5、4、4着、アーテルが3着に敗れた大一番での敵討ちも懸かる。混戦の牝馬戦線に頼もしい1頭が加わった。