美浦Wで充実ぶりをアピールしたカナテープ(撮影・持木克友)
「アイルランドT・G2」(12日、東京)
充実一途の
カナテープが重賞連勝を狙う。美浦Wを8日、単走で追われ、馬なりで6F83秒4-36秒8-11秒8を計時。3F過ぎから徐々に
スピードに乗ると、軽快なフットワークで駆け抜けた。堀師は「直前は単走で微調整程度。体を維持しつつ、順調に攻めることができた」と感触を伝えた。
これまでは弱いところがあったため、なかなか勝ち切れないでいたが、ここにきて体質面が強化したことでパフォーマンスが一気に良化。6歳を迎えた今年は3勝クラスの初音Sを制し、続く府中牝馬Sが
セキトバイーストに1馬身差の2着、そして前走の関屋記念で重賞初制覇を達成した。
6歳にして手にしたタイトル。その前走内容が圧巻だった。道中は後方15番手。直線で満を持して大外へ持ち出すと、末脚がうなりを上げる。マークした上がり3Fはメンバー最速の32秒5。力強い差し切りで、着差以上の完勝劇だった。
走破時計の1分31秒0は従来のレコードを更新。12年に
ドナウブルーが刻んだタイムを0秒5も上回った。指揮官は「年を取って心身がまとまり、競馬を覚えて、しまいに脚を使えるようになった」と分析。成長の跡はくっきりと見られる。
今回の舞台は東京芝千八。「千六だと少し置かれるので、千八の方が合っているはず。牝馬同士のこの舞台はいい条件だと思っています」と楽しみにするトレーナー。進化を続ける6歳馬が、2つ目のタイトル奪取へ突き進む。